Creative Organized Technology 研究会(創造性組織工学研究会)
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『トヨタのイノベーションと糸川英夫のイノベーション』(まとめ)本質的な3つの違いと異質な組み合わせ!
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トヨタのイノベーションと糸川英夫のイノベーションの比較において、戦前の糸川さんが勤務していた中島飛行機と、長谷川龍雄氏が勤務していた立川飛行機の違いに少し触れておく。 中島飛行機は小山主任技師を中心とした設計部で空力を引き受けていたのは糸川さんだ。自らが設計を手がけた飛行機は九七式戦闘機、一式戦闘機「隼」、重戦闘機「鍾馗」、九七式艦上攻撃機だ。隼は第2次世界大戦の開戦というタイミングで量産に入ったので約5,700機と陸軍機でもっとも多く生産された。そのうち2,949機は
『アメリカは自己啓発本でできている ベストセラーからひもとく』小原國芳氏に興味を抱いた(世界の歴史)
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筆者は『印税で1億円稼ぐ』を読んで、100万部売れる本を1冊書くより、100冊で100万部到達を目指す方が志として堅実だ。そうなると書店の棚に自分の名前のネームプレートができるということと、自己啓発本の面白さを知ったという。以降、自己啓発本の研究をはじめ、その成果が本書だ。 自己啓発本のルーツはアメリカで18世紀に生まれた。かつ読まれているのはアメリカ、日本、スコットランド、韓国ぐらいだという。自己啓発本は「出生指南書」なので、出世したいと思う人と出世しようと思えば出世
『トヨタのイノベーションと糸川英夫のイノベーション』(5−6)パーマネント組織とアドホックチーム
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シーズン5ではトヨタのイノベーションとしてトヨタ製品開発システム(TPDS)と糸川さんのイノベーションであるCreative Organized Technologyを比較するという前代未聞の試みを行ってきた。TPDSはトヨタのコア・コンピタンスであるためベールに包まれているが、幸いにも最近は、数名のチーフエンジニア(CE)が退職後に主査制度の方法論を出版しているので、参考文献も示しておく。 長谷川龍雄氏が提案することではじまったトヨタの主査制度は、1953年に豊田英二
『トヨタのイノベーションと糸川英夫のイノベーション』(5−5)固有技術の限界
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CE(主査)制度は、恒常的(パーマネント)な組織として、主査室→製品企画室→開発センター、主査がチーフエンジニア(CE)と名称が変わり組織規模が大きくなっている。しかし、部品軸などの機能別の縦割り組織を横串するための役割を担うパーマネントな組織であることは変わりなく、バイブリッド自動車や電気自動車などのマーケットのニードの変化に適応している。 クラウンの中村健也氏、カローラの長谷川龍雄氏、プリウスの和田明宏氏、bBやカムリの北川尚人氏、86の多田哲哉氏、初代レクサスの鈴
『トヨタのイノベーションと糸川英夫のイノベーション』(5−4)原価企画(設計VE)とシステム合成の比較
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今回はシーズン5の最大の山場になる。まず最初にMRJのような旅客機の一部を機能展開してみると、次のようになる。 旅客機の1次展開:胴体、主翼、エンジン、尾翼、舵面、着陸装置、コックピット 胴体の2次展開:客室、貨物室 客室の3次展開:圧力隔壁、エアコン、座席、ドア・通路、トイレ・ギャレー 座席の4次展開:読書灯、映像・音響装置など わたしたち乗客は旅客機の4次展開された座席しか見えないが、実際の航空機のすべてを機能展開すると、読書灯や映像・音響装置などの最終的な