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不眠の原因は何なのか。

昔、不眠症みたいになってしまった時期がありました。

その時は「柴胡加竜骨牡蛎湯」という漢方を飲んでいたんですが、これは子供の夜泣きにもいい漢方だそうで。

処方してくれたおばあちゃん先生に「大人の精神不安は子供の夜泣きと一緒なのよ」と教えてもらったことがあったのです。


「『頭寒足熱』って知ってる?頭は冷やして、足元は温めるの。そうするとぐっすり眠れるからね」

と、人体の本をパラパラとめくり、私に見せながらそうおばあちゃん先生は言いました。

人間の体温は上半身が高く下半身が低くなりがちで、これは 「冷えのぼせ」 と言われるものだそう。

男性に比べると女性に多い症状なんですって。


集中すると頭がカッカしてきますよね。でも心臓から離れた足元は冷えやすくなる。確かに夏でも私の足先はいつもひんやりしています。

寝る前のスマホがよくないと言われているのは、光で頭がカッカと覚醒してしまうからなのだそう。

そうなってしまうと頭は熱くなってぼーっとしてしまい、足元は冷えて血の巡りが悪くなる。

「いい?頭は冷やしてスッキリと、足元は温めて血の巡りをよくする。これが一番健康的な状態なのよ」と教えてもらったのでした。



そのおばあちゃん先生に「ところでなんで眠れないの?」と聞かれて、職場にどうにもこうにも合わない人がいるんですと話しました。

ものすごく言葉がきつい人で、当時の若かりし乙女の私は真正面からいちいちその言葉を受け取っていました。

するとおばあちゃん先生は「ふん」と鼻をならして、「あなたが悩んで眠れない時、その女は有意義に男とワイン飲んでるわよ」と言われたのです。

「それでいいの?」と言わんばかりにこちらを真っ直ぐに見つめるおばあちゃん先生。

「それでいいの?と問われましても…」と目が泳いでしまい、私は何も答えられず力なく微笑むことしかできませんでした。



その時の私は本当に弱り切っていて、捨てる前のしおしおのカイワレ大根のようだったんです。

でも漢方を飲んで眠れて元気になってくると「クソがよおおおお!!!舐めやがってよおおおお!!!呑気にワイン飲んでんじゃねぇぇぇ!!!」ってなってくるんですよね。

何をそんなに傷ついていたのか。
ばかめ、自分よ。
誰かに否定されたって、私の価値は変わらない。
むしろそんな言い方でしか相手とコミュニケーションをとれないなんて、なんて幼稚なんだ。
愚かなやつめ…!

そう悪態をつけるくらいまで回復を遂げたのです。




私の中で「やっぱり睡眠て大事だな」と強く印象に残った出来事でした。

何か嫌な出来事があると頭がカッカして眠れない日々が続いてしまうのですが、睡眠がとれてないとどんどん心が弱くなっていくんです。

イライラしやすくなるし、傷つきやすくなる。

大人になったって心は子供の頃と一緒。

嫌なことがあったら大声で泣きたいし眠れなくなるもの。

むしろその症状って正常なのかもしれないと思うようになりました。



この漢方ですが、病院に行かなくても薬局で買えます。

漢方なので即効性があるわけではないのですが、「眠れないのは子供の夜泣きと一緒なのだ」と思うとだんだんと落ち着いていくような気がするのです。

お守りがわりに。



暑い日が続くし天気も不安定ですが、自分の心と体を守っていきたいものですね。


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