見出し画像

新入社員で人事に「住めば都」と言われ転勤の辞令を受けた話


新入社員のとき
4月1日に入社式を終えて、5月末までは研修期間だった。ビジネスマナーなど社会人としての基礎を学ぶ期間。


すぐに現場に放り出される会社に比べると非常に手厚い研修制度である。また研修はクラス別に分かれ、そこで同期との絆を育む意図が人事部としてはあったらしい。


※残念ながら僕は絆を育む同期ができなかった


研修が終わると現場に配属されるわけだが
そのクラスは全国転勤前提のクラスだったため、それぞれがどこへ行くのかドキドキしていた。


また全国転勤といっても都内や関東圏に配属される可能性もあり、華やかなシティで働きたいひとはなんとか自分は東京であれ。と願っていた。


かく言う僕も生まれも育ちも神奈川県なので関東圏がいいなぁ。と思っていた。


しかし、ある日研修の研修では人事部の講師からこのクラスの中から北海道に転勤するひとがいると告げられ、クラスがざわついた。


まぁ、後に辞令を受けて
北海道にいくのは僕だったわけですが…
その時は、「へぇ、誰なんだろう。」とアホ面こいてました。


北海道行きが1人いると告げられてからは誰が行くんだろう?という話で持ちきりだった。そしていよいよ、人事部から辞令を受ける日。


別室で人事部から直接辞令をもらい
同期が待つ研修で使っている部屋に戻り、ホワイトボードに貼った日本地図にピンを刺していくことになっていた。


あいうえお順で初めに呼ばれたひとは、横浜勤務であり、日本地図に堂々と神奈川県にピンを刺す彼は誇らしげだった。同時に「よっしゃあ!東京に残れた!」と嬉しげでした。神奈川は東京じゃないけどな。


そしてその次は埼玉(?)だったか
とりあえず関東圏。まぁ、関東圏ならいいよね。
その次は、名古屋。どうやらその人は名古屋が地元のようだった。


僕の苗字はあいうえお順で早いほうなので
早々に僕の番が来た。


扉に入ると奥に人事部長。
手前に人事の女性2名くらいがいた。


人事部長が話し始める。


「井の中の社畜さんの勤務地は………北海道になります!!!」


がーーーーん。
心のどこかで地方に縁はないし、なんか関東だろうと思っていたところがあったのでショックだった。


というか、人事部長の発表の仕方はいったいなんだ!いわゆるクイズミリオネア方式!溜めて発表するな。


北海道なんて修学旅行でしか行った事がない…
はぁ…と落ち込んでいると人事部の女が


「まぁまぁ、住めば都って言いますから(笑)」


今はイラッとしないが当時はめちゃくちゃ腹立っていた。安全圏にいるお前らがそれを言うなよと。それに「住めば都」と言っていいのは実際に住んでいるやつなんだよ!と心のなかで突っ込んでいた。


そして人事部長。


「井の中の社畜さんは東日本を希望していたよね。希望通りじゃないですか。」


とのこと。
いやいや、あの時はあんたが東日本と西日本ならどっちがいい?って聞かれたから、東日本と言ったがその後すぐに、でも関東が希望です。って言ったぞ?


どこを切り取ってるんだ。
このクソハゲデブ部長。


辞令発表が終わり、トボトボと同期が待つ部屋に帰る。そして日本地図の北海道にピンを刺す。


その時、部屋の同期たちが
「わああああ」と騒めき、「ああ、良かったー北海道の可能性が早くなくなって」と安堵のオーラが溢れていた。


同期の1人からは「なかなかのぶっ飛びカードを使ったね。」と励ましなのか煽られているのかよくわからない言葉もかけられた。


そのあと北海道に向かい数年働いたが
仕事はめちゃくちゃキツかったし、友達もいない、そんな状態だったがそれなりに楽しめた。


人事部のクソ女から言われた言葉はあながち間違いではなかったのである。


このクソ人事女は

未来予知、住めば都人間

と言う事でよろしいでしょうか。

北海道は旅行に行く分にはとても良いけど、また住もうとは思わないなぁ…楽しさよりも仕事が辛いことの記憶が…

この記事が参加している募集

この経験に学べ

新生活をたのしく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?