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映画鑑賞

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映画感想など
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#今泉力哉

"L/R15" 映画『愛なのに』『猫は逃げた』 TAMA映画祭 特別先行上映

『これも愛 あれも愛 たぶん愛 きっと愛』

そう歌ったのは松坂慶子(『愛の水中花』(五木寛之作詞)、1979年)だが、『愛なのに』(2022年2月公開予定)を観ながら、つくづく、世の中には様々な「愛」があるものだと思ったのだ。

"L/R15"は、映画監督の城定秀夫氏と今泉力哉氏が、お互いの書いた脚本を監督し、R15指定の映画を作るという企画で、2022年2月に城定監督作品『愛なのに』(今泉力哉

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映画『かそけきサンカヨウ』を観て思った取り留めもないこと…(感想に非ず)

我思う故に我あり

きっと本来の意味と違っているだろうが、映画『かそけきサンカヨウ』(今泉力哉監督、2021年。以下、本作)を観て、そう思った。
本作の登場人物は誰一人として、「いいね!」などと他人に認められることで自分のアイデンティティを獲得しようとは思っていない。
自分の中の「わからなさ」「曖昧さ」「言葉にできないモヤモヤ」を素直に認めて、それを解消しようとしたり、受け入れたり、やり過ごしたり

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映画『街の上で』

別稿で、映画『街の上で』(今泉力哉監督、2021年。以下、本作)についてどうでもいいような雑文を書いたが、少し真面目な感想も書いておく。

本作は、東京の「下北沢」という実在する街で暮らす若者の「何気ない日常」を描いている。だから、大した事件は起こらないし、「ネタばれ」を気にするような展開や結末もない。

本作は「フィクション」だが、「劇映画だから」という理由ではない。

確かに、フィクションを「

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映画『街の上で』を観て思った取り留めもないこと…(感想に非ず)

2021年4月11日(日)、下北沢・本多劇場で M&OPlaysプロデュース『白昼夢』の昼公演を観た。その後、渋谷・Bunkamuraシアターコクーンで『フラガール』の夜公演を観る予定だったので、それまでの間、久しぶりに下北沢を歩くことにした(下北沢から渋谷まで京王井の頭線で6分程)。
その日は気持ち良く晴れていて、若者たちでそれなりの賑わいだった。
テイクアウトの食べ物屋に並んだり、古着屋をハシ

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人生、いつでも「あの頃。」だ~映画『あの頃。』『14歳の栞』

私は50歳のオヤジだが、10代の頃はアイドルが好きだった(もう30~40年前になるのか…)。
別に「アイドルオタク」だったわけではない(当時そんな言葉はなかった)。
あの時代は、まさに「アイドル黄金期」で、多くの若者がアイドルたちに熱狂していたのである。
(以降、失礼ながら敬称略とさせていただく旨、予め断っておく)

さて、私事になるのだが…
以前の拙稿にも書いたが、中学2年の時に小泉今日子のコン

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