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アンマchan
2022年4月20日 17:30
映画『吟ずる者たち』(油谷誠至監督、2022年。以下、本作)。『吟ずる者』ではなく『吟ずる者たち』というタイトルには大きな意味がある。主人公の永峯明日香(比嘉愛未)は、東京で夢破れ広島の造り酒屋の実家に戻ってきた。その直後、蔵元である父(大和田獏)が倒れ意識不明となる。明日香は意識が戻らない父の代わりに日本酒造りを始める……という、王道ストーリーで、明日香と残された蔵人たち『吟ずる者』の
2021年11月10日 17:34
「美術手帖」2022年1月21日配信記事によると、本作が『第51回ロッテルダム国際映画祭の短・中編部門に公式選出された』とのこと。同記事によると、ロッテルダム国際映画祭は、『約30万人が来場する世界最大規模の映画祭で、ヨーロッパではカンヌ、ヴェネツィア、ベルリンと並び世界でもっとも重要な映画祭のひとつである』。2021年11月6日。渋谷に向かう山手線の車内ディスプレイに「グレタ・トゥンベリさ
2021年4月25日 17:19
若い頃は思い出す過去よりまだ見ぬ未来の方が長く感じられたし、死者は身近ではなく死そのものも「ただの概念」だと思っていた。そんな私は、映画『椿の庭』(上田義彦監督、2021年。以下、本作)で抱いた自らの感情に驚いた。夫を亡くした主人公・絹子(富司純子)の家に、夫との共通の友人・幸三(清水紘治)が訪ねてくる。二人は、絹子の夫を交えた3人で行った、まだ開業したての後楽園遊園地での思い出を楽しそ