俳句結社 松の花に参加しています。そちらに投稿し、誌面に掲載されたもの(主宰の方からの添削、評が入っていることもあり)をこちらのマガジンにまとめます。
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#創作
「春園やしやがむ二歳の目の高さ」ほか自作俳句18句(『松の花』2021年6月号掲載+α)
松の花集掲載句春雨や吉田博の版画展
暮れかぬる空に弦月潔し
春園やしやがむ二歳の目の高さ
昨年(こぞ)の葉とともに吹かるる柳の芽
母の木のひこばえは我が新居へと
春雨や吉田博の版画展→上野の東京都美術館に見に行きました。印象に残ったのが、「東京拾二題 神楽坂通 雨後の夜」など、雨の情景をやわらかく描いた版画でした。折しも展覧会を見に行った日も、春雨の日で、こんな一句となりました。
暮れかぬる空
自作俳句5首「かこたじの真一文字に虎落笛」ほか(『松の花』1月投稿分)
朝富士の白きにその日始まりぬ
かこたじの真一文字(まいちもんじに)に虎落笛(もがりぶえ)
受験日は誰も一人ぞ吾(われ)も汝(な)も
鉛筆に未来を賭けん春浅し
いざ帰らん白魚飯(しらうおめし)の待てる家
朝富士の白きにその日始まりぬ(冬)
「ぬ」は完了の助動詞。冬の澄んだ空気の中、朝日を浴びる霊峰富士。雪の積もった白い富士山はひときわ神々しい。引き締まった気持ちの中で、その日1日がスタートした。