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円だけの資産形成は危険?

直近の円安で世の中が騒いでいますが、「円の資産形成だけでいいのか?」と思ったことありませんか?

今日も為替リスクについて、もう一段深く考察していきたいと思います!

資産形成しよう、となったらまず自動的に「円」という通貨で運用すると思います。それはごく自然。なぜなら、私たちは日本に住んで、日本円でお給料をもらって生活しているのだから。

でも実は、円だけ持っていること自体もリスクーー。今日は、私たち、インデックス夫婦の円とドルそれぞれのエクスポージャーも明かしつつ、どう対策すべきかを一緒に考えていきましょう!




為替リスク取らないという選択はあるの?

結論として、残念ながら、為替リスクを完全に避ける選択肢はありません。

「為替リスクがあるなら、
 外貨建てではなく円建てだけで資産形成したい」
「ドル建ての意義は?」

と友人から聞かれたことがあります。

  • 日本にずっと住んでいて”日本円”しか持っていなくても、円安と物価高は密接に関連しています。つまり、円だけで資産形成していても間接的にリスクにさらされるので、100%為替リスクから解放されることはありません

  • また、日本株だけに投資をしていても、その投資先の企業は為替リスクを負います。半導体メーカーなどは8割くらいが海外の売上ですし、ユニクロも半分以上が海外の売上。間接的に為替リスクが発生します

  • もちろん、外貨建て資産を持っていれば、為替変動の直接的に影響を受けますよね

つまり、為替リスクを完全に避けることはできないのです。それならば、どうリスクに対応するかを考える方が賢明です。

為替リスクにどう対応するか。

円安に進もうが、円高に進もうが、どちらのリスクも受け入れられる体制を作ることが重要です。

いずれにせよ、円だけに頼る資産形成はリスクを抱えることになるのです。



日本の誇り!堅固な年金機構から学ぼう

日本の年金機関は世界的に有名です。

年金を運用する機関であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資産規模が世界トップクラスで、運用資産総額は約200兆円にも及び、これは世界最大クラスの年金基金となっています。また、ウォーレン・バフェットだったりレイ・ダリオだったり、投資の巨人たちがGPIFの戦略を評価し、自身の運用にも一部取り入れていたりします。

そこで面白いのがGPIFの資産方針です。

GPIFは国民の年金を背負っているので「堅実な運用」はマストですよね。ではどのように運用しているのか、気になりませんか?

ご覧の通り、GPIFでは資産の50%が外貨建て。そのうち、それぞれ株式・債券でさらに二分割している。世界トップクラスの「堅実な運用」を意識する機関投資家がとった、為替リスクの対応については、いかにもシンプルな50:50。


もちろん、円と外貨の保有比率に正解はありません。

ただ、私たちも、GPIFを参考に、外貨建て資産を通じてリスク分散を図れる、というのは知っておきましょう!



円安時に不安になっちゃう!マインドセットの持ち方

円安になると、
どうしても不安になりませんか?

それはとても自然です。

しかし、円高・円安にはそれぞれメリット・デメリットがあります。そして加えて、外貨建て資産を持つことで、そのメリットを柔軟に享受できるようになるのです。

例えば、こんな感じ:

ドル建ての資産を持っていると、円安の際にドルの価値が上がり、資産価値も上がることになります。外貨を持つことで、このようなマインドセットを持てて、心理的な安心感も得られるはずです。



円だけ持つこと=リスクだけど…

私たちは”円”という中で生活をしています。

なので、自動的に円で持つこと=自然となっていますが、実は、円”だけ”持っていること自体が、リスクであること、ご理解頂けたでしょうか?

ただ、読者の皆さん全員に
「外貨を買え!」
と言いたい訳では決してありません。


投資の中級者以上の方には、通貨分散を検討することをおすすめします。そしてその配分は、GPIFを参考にしつつ、外貨建ての資産を持つことで、為替リスクを分散でき、全体的なポートフォリオの安定性を高めることができます。



投資初心者ならもっと重要なことがある

ただもし投資初心者であるならば、
話は少し違うのです。

投資初心者にとって、為替リスクより、もっと重要なことがあると思っています。

1️⃣ リスク許容度に応じた投資商品の選び方
自分のリスク許容度を理解し、それに応じた投資商品を選ぶことが大切!まずはあなたのリスク許容度を知るところから。それには、過去の株価暴落を参考にするのが一番!(リンク)

2️⃣ 生活に無理のない投資額の決め方
生活に支障をきたさない範囲で、投資額を設定しましょう!その「余裕資金」がいくらか?をまずは把握するところから。(リンク)

3️⃣ 離脱しないこと=続けること
投資は長期的な視点で考えるのが鉄則。短期的な市場の変動に一喜一憂せず、2~3年まずは続けましょう!そこで得た経験値は、絶対に糧になるので、そこから必要に応じて調整を行っていきましょう!

為替リスクは、最初の数年は積立て投資をすればある程度、対応できるものです。初心者のうちは、無理して外貨を意識する必要はありません。まずはご自身の納得のいく商品を運用されて、基本的な投資の知識とスキルを身につけてから、外貨建ての資産に目を向けても遅くありません!



”円”資産と”円建て”資産の違い!

この記事では、意識的に書き分けていました。

”円”資産と”円建て”資産の違い、わかりますか?

過去ブログに詳しく書いてありますが、「為替リスク」を語る上で、大事なのは”ドル建て”資産を持て!というわけではなく、”ドル”資産を持つことです。なぜならば、”ドル建て”じゃなくても、”ドル”資産であれば、為替リスクにさらされる=対応できるからです。

その最たる例がS&P500の投資信託ですよね。日本で販売されている商品で、「円」で評価されているので、”円建て”ですが、もろに為替の影響を受けるので、通貨分散になります


… ん?

ここは混乱を生みやすいポイントなので、腑に落ちない方は↑の記事をぜひ読み直してみてください!



インデックス夫婦はどうしてる?

私たちでいうと、積み立ては全て為替を受けるものです。その中に、eMAXIS Slim S&P等円建てのものもあれば、ドル建てETFもあるのですが、いずれも為替の影響を受けます。

🔍 私たちの毎月の積立て額の割合:

・円建て資産(=”円”資産):0%
 (日本株など)
・円建て資産(でも”ドル”資産):70%
 (eMAXIS Slimなど)
・ドル建て資産:30%
 (VGT等のドル建てETF)

理由としては、「資産」全体でみると、預金=銀行にあるのは”円”ですし、今保有しているマンションも”円”、老後にもらう年金も”円”なので、円へのエクスポージャーは既に十分にある、という考えのもとです。



🏃‍♂️ 行動に移そう

色々な角度があり、かなり複雑なトピックです。

今回まとめると、私たちへの教訓としては、「自分の中で、ベストな外貨資産の割合を考えてみる」ことではないでしょうか。

余裕資金があるなら、投資の中級者以上なら通貨分散を検討すべきです。しかし、投資初心者なら、為替リスクよりもっと重要なことがあります。無理せず外貨を意識しなくてもいいので、あと数年待ってから考えても遅くありません。自分に合ったリスク分散を見つけて、安心した資産形成を目指しましょう。



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