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「稼ぐ」ことと「働く」こと

2023年が始まってもう1週間以上が過ぎましたね。
みなさんはどんな年末年始を過ごされましたか?
今年も、イノベーションに関わるあんなことやこんなことをINDEE Japanの岡本がお送りします!
本年もよろしくお願いいたします。

さて、昨年から続いて今年も話題になるのは増税などお金にまつわるものが多いですが、ツイッター社やアマゾン社などの米国企業が大幅な人員削減をおこなうというのもニュースになっていますね。
SNSでそういったニュースへのコメントを見ていても、国が違えばかなり雇用形態や働くことへの考え方が違うなと感じます。

さて、今日のテーマは ❛《稼ぐ》ことと《働く》こと❜ です。
物事への考え方や価値観は、小さい時に形作られるので、その国の教育に大きくされていることが多いですよね。
そこで、米国で小・中を過ごしているINDEEの共同代表の津田さんに、記事を書くにあたりアメリカと日本の教育の違いについて話を聞いてみました。

そういった観点も含め、2023年note1本目スタートです!!

みなさんは、「稼ぐ」と「働く」についてどう考えますか?
一緒に考えてくださいね。

▶働くことが尊い日本

日本では「働くこと」は尊いものとして小学生のうちから刷り込まれていますよね。
海外から絶賛されている教室の掃除当番や、給食当番など皆のために働くことはやって当たり前のこと。しかも、班のため、クラスのため、学校のため、先生のために働くことが奨励されており、早くから社会性の高い労働に価値があると訓練されています。

反面、「稼ぐこと」については一切触れられません。
「稼ぐこと」については無視されているか、むしろ「悪」だという雰囲気までできているように感じるときもあります。
自分たちが生活に必要なお金が社会でどう巡っていて、贅沢をするために必要なお金をどう獲得するかという視点は教室ではほぼ、ない。勤勉に勉強し、会社に就職しても勤勉に働いていれば、問題はないはずだという空気。

津田さん曰く、日本の学校で「稼ぐこと」が社会にとって、自分にとってどういう意味があるのかを聞いたのは1度だけとのこと。
高校3年生のときのある現代社会の授業で、資本主義と共産主義の比較の話をしていた時に、学校の先生の給料のこと、高校の授業料の使い道のこと、高校を卒業した生徒がいくら稼がないと投資対効果がマイナスになるかなどを赤裸々に話した記憶があるそうです。

▶稼ぐことが尊い米国

逆に米国では、どうなのか?津田さんの体験を聞いてみました。


米国では「働く」ことを教えることはない。
しかし、レモネードやブラウニーを手作りし、近所の人たちに売ることで「稼ぐ」ことは小さい頃から行い、賞賛されていた。初めてそのようなアメリカの習慣に触れたときは、たぶん7〜8才だったと思うが、かなり戸惑った。どうしたらいいかわからなかったし、同い年の子どもが難なく目標の数倍のブラウニーを売り切った様子を見て驚きしかなかった。
また、売ったブラウニーの売上高は競ったとしても、ブラウニーの出来栄え、作ったブラウニーの数、といった内容では競争がなかったことは、今から思うと凄い。
さらに、小学生で株式投資について学んだ。
株とは何かを教えてもらった記憶はないが、とりあえず興味を持つようにバーチャル投資を行う授業があった。銘柄を一つ決め、その株価を毎日株価を教室に張り出すだけだ。もちろん、小学生には本当の意味で株を理解することを期待してはいないだろう。だが、何らかの興味を持って市場を眺める準備にはなる。新聞の株価欄にあった当時米国でも上場していた数少ない日本企業を見つけ、それを毎日追っかけたら結構上がって、日本人であることを誇りに思ったものだ。

日本からアメリカの学校を見て、明らかに無いものは3つある。1つは給食。もう1つは掃除、最後の1つは日直だ。日本では、給食の前には給食当番が給食室まで取りに行き、配膳をし、下膳をする。掃除も当番が教室の箒がけや雑巾がけをする。日直は、クラスを代表して黒板消し、挨拶、その他、先生の身の回りのサポートをする。

アメリカでは給食はそもそもなく、家からランチを持参するし、掃除は生徒が下校したあとに業者が行う。日直という担当はおらず、クラスのための仕事というのもない。


▶「働くこと」と「稼ぐこと」

津田さんの経験も踏まえ考えつつ、極端なまとめ方をすれば、、、

●日本では
働くことが奨励され、教育されている反面、稼ぐことについてはほぼ放置。
●米国では
逆に稼げばよくて、働くことなんぞは教えてもくれない。

外国人が日本に来ると、日本人の勤勉さに驚き、電車が定刻通りであることに驚き、日本人が外国に行くと当たり前だと思っていた仕事がなされないことに驚くのはあまりにも典型的ですが、こんな教育の背景があるのかもしれません。
勤勉さなら日本賞賛で済むところだが、稼ぎの低さについても驚かれているのも事実です。「このハイ・クオリティならもっと稼げる」と感じる外国人は多いようです。

しかし、「働く」こと自体に美徳があることも事実です。
働かずに儲かったとしても、まさに「悪銭身につかず」「Easy come, easy go」。
楽して稼ぐ「うまい話」を聞いて、泥沼に陥ることも。
しかも、「働く」ことは、習慣に近く、大人になってから身につけにくく、稼ぐことは「働く」結果でしかない。
さらに、一定額を超えると、稼ぎが増えても幸福感は増えず、社会に貢献した仕事を継続してする方が、幸福感が得られという研究結果も数多くあります。

「働く」ことだけを奨励し、「稼ぐ」ことを忘れると人はブラックに。
「稼ぐ」ことだけを奨励し、「働く」ことを忘れると人は不幸に。

ということで、やはりどっちが大事ではなく、バランスが大事ですね。
大人になると色々な情報や教育を自分で得られるようになるので、バランス良い考え方をしつつ、自分に足りない知識や情報をいつも取り入れるアンテナを立てていたいと思います!

さて、今日はここまで。
また、次回お会いしましょう。


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