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生粋のおばあちゃんっ子

「おばあちゃん,お米がなくなったので,またおくってくれませんか。」

一人暮らしの大学生。
いつも家にあるお米がなくなると,
そうやって祖母におねだりをする。

「宅配便でーす。」

あ,来た来た。

ピーマン,おねぎに,ほうれんそう。
畑で採れたお野菜に,
インスタントのスープの素は,結構うれしい。
他にもちょっとした総菜やお菓子,
そして祖母お手製のつくだ煮やお漬物,
ついでにひとことメッセージまで,
ひとつのダンボール箱のなかに,
祖母のやさしさとセンスがたくさん詰まっている。

あ,今日は大好物の柿が入っている!
お!しかも干し柿も出来たんだな。もったいないから冷凍してちょっとずつ食べよう。

楽しみなのは,お米以外に入っているものたちで。
何が入っているのか,箱を開ける瞬間の,わくわくがたまらない。
ひとときのほっこりを与えてくれる,
それはまるで“たまてばこ”だ。



私にとって祖母は,
第二の母,と言っても過言ではない。

実の母が生みの親だとすれば,
祖母は,育ての親であろう。

祖母とは,幼いころから一緒に暮らしていた。
そして,両親は帰りが遅い共働きだったから,
家事や面倒見はほとんど祖母がやってくれていた。

だから祖母には本当に世話になっている。
特に私なんか,わがままでやんちゃで爆発した幼少期を送っていたから,
本当に迷惑をかけてきたことだろう。
祖母にはたくさん叱られてきたけれど,
同時に,とてもやさしかった。
だから私は,祖母が,大好きだ。


さて,そんな祖母から,こうして段ボール箱が届くことも,
残すこと何回だろう。
私はあと数か月したら大学を卒業し,
春から実家暮らしに戻ることが決まっている。

そう考えると,ちょっと切なくなった。


おばあちゃん,いつもありがとう。

今日の段ボール箱には,
ほっこりと,しんみりが,
入っていた。

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