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残念ながら、“恐怖”が最も人を動かすのかもしれない。

中学時代に所属していたサッカー部のキャプテンは、超怖い印象がありました。試合中に怒鳴り散らしたりするのも、何度も見ていました。

僕は、そういうリーダー像が嫌で、僕が何かしらのリーダーを任せられたら、温和な雰囲気でみんなが楽しくできるようにしたいと思っていました。

そんな僕は、中学時代に合唱コンクールのリーダーを任されました。これはチャンスだと思い、自分なりに良い雰囲気を作って、金賞を狙おうと思いました。

しかし、周りにはやる気のない生徒もいます。中学生特有の、何でもだるい症候群にかかっている人は男女ともにいます(笑)。

僕がいくら前に出て、ああだこうだ言っても、仕切っている僕の陰口だったり、部活に行きたいなどと言って、全く練習する気がないです。いざ歌う時には、隣の人とニヤニヤしたり、歌声が小さかったりします。

僕は毎日のように、どうやったらみんなが歌ってくれるのかを真剣に考えていました。歌うことを面白いと思わせたり、歌うことでのメリットを語ったり、まずは叫ぶところから始めさせようとしたり、あれこれやってみますが、全然彼らには響きませんでした。

しかしある時から、やる気のない生徒たちが、急に元気に歌い始めました。

僕は、自分の想いが届いたものだと思って喜んでいましたが、不思議に思ったので、合唱中に彼らがやる気になった理由を探っていました。

すると、小さな声が聞こえてきました。

「おい。お前、歌えって言ってるだろ!」

「お前、声出してるか? 全然聴こえないけど!」

「お前ら、次は絶対、ちゃんと歌えよ」

なんと、あの超怖いサッカー部のキャプテンが、ちゃんと歌わない生徒の背後に回り、めちゃくちゃ脅していたのです(笑)。

彼は、チームプレーにおいての協調性を大事にしている上に、歌うことが大好きなので、そういう時にちゃんとやっていない人がいると、本気でキレてしまうのです。これでは、僕のやりたいイメージとはかけ離れています。

しかしながら、彼がその生徒たちを脅してくれたおかげで、僕らのクラスは良い成績を残せました。

その時に気がついたのは、人を簡単に動かすには、“本気の恐怖”が一番なんだということです。

もちろん、全員が全員、そうではないのかもしれませんが、恐怖は簡単に人を動かして、結果に結び付けてくれました。

確かに僕だって、締め切りがある方が動けますし、誰かと約束している方が動けます。それはやっぱり、“裏切れない”という恐怖からきているものなのかもしれません。恐怖を与えることはあまりしたくありませんが、悪いことばかりではないことを学びました。

僕は、中学3年間で、キャプテンと2回同じクラスになりましたが、2回とも合唱コンクールで良い成績のクラスになりました。逆に、キャプテンと違うクラスの場合は、合唱コンクールで結果を残せませんでした。

ここまで結果に出ると、“恐怖のチカラ”って、本当に恐ろしいです(笑)。
もしかしたら、「リーダー=恐怖を与える人」なのかもしれません。

こうして、僕の理想のリーダー論は、思いっきり崩れていきました(笑)。

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