上手くなるためにやらない。
僕は、作家という仕事をしています。
作家というものは、『面白いもの・興味を惹きつけるもの』を作っていかなければいけません。常にそれを求められています。
なので、才能の有無とか、センスの有無とか、そんなものを最も気にしやすい職業で、高いプライドと低い自己評価が入り混じります。
退職者もたくさんいますし、初めから挑戦することを諦める人もたくさんいます。楽しい創作も、誰かと比較したり、ダメ出しを繰り返されることによって、楽しいと感じなくなることもあります。
なので僕は、物事に取り組むときに一つだけ決めるようにしています。
これを決めるだけで、楽しさを忘れなくなりますし、楽しいからこそ努力量も増えて、成果も出やすくなります。
一つだけ決めていること。
それは、「上手くなるためにやらない」ことです。
物事はできる限り上手くなりたいものですが、それが目的になってしまっては、全然楽しく取り組めません。
だって、僕の目的は「面白い」と思われることなので、自分自身も面白いと思っていなきゃ、その作品の面白さが薄れていくに決まっています。そのうち、目的を見失うことになります。
ただ、「上手さ」の方が人との比較がしやすいし、「面白さ」より簡単に変えられそうなので、どうしてもフォーカスしてしまいます。
確かに、常に上手い人のやり方を参考にして、自分の仕事に還元するのは大事なことです。しかし、忘れてはいけないのが、それはあくまで目的ではないということです。
あくまで、「上手さ」というものは、「面白さ」を生み出すための材料で、「上手さ」だけ身に付けても、結果が出なかったり、自分でも何がしたいのか分からなくなっていきます。
作品が出来上がった時の気持ちが、「あの人みたいに上手くやれた」と感じるのか、「面白いものができた」と思うのかで、自分と客の満足度も大きく変わってきます。
なので僕は、上手い人になるためにはやりません。上手くなることを目的にはしないように気を付けています。
これは、全てに共通することだと思います。
音楽の上達も、絵の上達も、料理の上達も、上手さだけでは物足りないと思います。
「面白さ」を追求することを忘れて、「上手さ」を追求してしまっている人は、やたらと知識だけが膨れ上がっている場合が多いです。
その知識量にプライドを持って、その分野のことになると専門用語を連発するだけなら、誰も幸せにできません。
そこに関して深い知識を持っているということは、一般の人より上手いのかもしれませんが、そんなことはその人以外にとっては、重要なことではないと思います。
「上手さ」を理解させるより、「面白さ」を伝えることに全力を注がないと、誰にもウケません。
そしていつの間にか、自分も笑っていなかったりします(笑)。
作家を始めて1,2年目は、自分が下手なことでたくさん悩んできましたが、最近は下手なりに「面白さ」を追求することで、このnoteも、皆さんに読んでもらっています。
僕は、文章が上手くなるためにnoteを書いていません。noteの文章で「面白さ」を伝えています。
もしあなたに、それが伝わっていると嬉しいです。
僕は、もっと多くの人に「面白さ」を伝えるために、まだまだ頑張ります。
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