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良いドラマには、実在してほしい人が必ずいる。

本日から5日間は、年末最後の週ということで、2022年を振り返ります。

普段あまり記事にしていない趣味の話や、ただ話したいだけの話をたくさんしていきますが、どうぞお付き合いください。

本日は、「本当に観てよかったドラマ」をランキング形式で振り返ります。

僕は、1クールあたり5~6本のドラマを観ているのですが、その中で「これは観てよかった」と感じたドラマについて、お話させてください。

第3位:「ふたりのウルトラマン」(NHK)

まずは、こちらのスペシャルドラマがランクインです。

このドラマは、「ウルトラマン」を生み出した、沖縄出身の若き2人の脚本家・金城哲夫と上原正三が主人公のドラマで、沖縄出身の僕は、とても胸を打たれました。

実話をもとにしたドラマなので、沖縄らしさも全開。主演した俳優も沖縄出身(金城哲夫役に満島真之介、上原正三役に佐久本宝)なので、方言のイントネーションも完璧でした。

当時、沖縄から県外に出るには、パスポートも必要で、今よりも県外に対する恐れや不安もあったと思うのですが、それでも子どもたちを楽しませるために原稿に立ち向かっていく姿は、今でも心の中に刻まれています。

特に好きなシーンは、上原が金城に「やまとんちゅよ、あいつら働きすぎ。どうかしているよ」と愚痴をこぼすと、金城が「えー、やまとんちゅに負けるな」と𠮟咤激励するシーンです。

やまとんちゅとは、沖縄の方言で「沖縄県外の日本人」を指す言葉で、現在は「ナイチャー」と言われることが多いです。

当時は、ナイチャーに対しての強い対抗意識を持ちながら、作品を作っていたと思うと、ちょっとのことでへこたれている自分が情けなく感じました。

自分も沖縄県民の一人として、ナイチャーに負けないように頑張りたいと思わされました。

第2位:「初恋の悪魔」(日本テレビ)

第2位は、僕が大好きな脚本家・坂元裕二さんの作品です。

今回も、人間関係の描写が細やかで、セリフ回しのすべてが面白く、予想を裏切る展開が散りばめられた傑作でした。

正直、このドラマだけで何記事も書きたいぐらいなのですが、今回は振り返り程度なので、好きなシーンを抜粋します。

このドラマの好きなシーンは、やっぱり4人でのカラオケのシーン。

これまで友達という存在を受け入れていなかった鹿浜鈴之介(林遣都)が、馬淵悠日(仲野太賀)、摘木星砂(松岡茉優)、小鳥琉夏(柄本佑)に心を開き、友達になったことをきっかけに、カラオケでYUIの「CHE.R.RY」を歌うシーンがあるのですが、これほどに友情が輝いて見えるシーンはないというぐらい、キラキラと輝いていました。

今もどこかで、あの4人でカラオケに行っててほしい。

フィクションと知りながらも、そんな淡い期待をしてしまうほど、主要登場人物全員のことが好きなドラマでした。

第1位:「カムカムエヴリバディ」(NHK)

ドラマの放映開始自体は、2021年なのですが、今年の春まで放送していたこともあり、今回ランクインさせました。

僕は映画・ドラマのレビューアプリで、自分が観たドラマを5段階評価でレビューするのですが、今年、唯一星5つをつけたのは、このドラマだけでした。

楽しさ、面白さ、苦しさ、悲しさなど、いろんな感情が複合的に絡み合っており、登場人物もかなり多いドラマですが、観た後の満足感は、今年一番でした。

何年も朝ドラを観ていますが、こんな良作は、なかなか生まれないと思います。

祖母・母・娘、三世代の女性たちをヒロインとしており、主役が3人もいるため、とても速いテンポで話が進んでいくのですが、心理描写はとても丁寧に描かれています。

喜びや悲しみも、時代によって異なり、その時代の人の価値観がセリフにも反映されています。

例えば、昭和37年(1962年)夏、クリーニング店で働いていたるい(深津絵里)の初めて給料をもらう日のこと。るいは、特にほしいものがないため、給料を貯金すると告げると、「貯金は大事やで?でも、全部はあかん!あんたみたいな可愛らしい若い子が!」と怒られます。

今では「貯金する」なんて言うと、きっと褒められることが多いと思いますが、当時は、若いときにもっと楽しんでほしいと思う親心から、そんな言葉をかけたのでしょう。

貯金して褒められていた僕には、すごく衝撃的なセリフでした(笑)。

同時に、こんなふうに怒ってくれる人と、出会ってみたかったとも思います。

こんなふうに、少し価値観が広がるようなセリフがあって、ストーリー展開も面白い朝ドラは、後にも先にも、「カムカムエヴリバディ」だけかもしれません。

長くなりましたが、1年の振り返りドラマ篇は、ここまでとします。

良いドラマには、実在してほしいと思える登場人物が出てくるのかもしれません。

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