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食パンとご飯

「あなたの目の前にいる私を信じて」

信じられるかよ、このくそビッチが

目の前にいるクソ女を追い出すか、犯すか迷って後者を選んだ。

クソクソクソクソ、性欲に逆らえない俺もクソ

自分の思う通りにいかない女を目の前に自分の加虐欲を満たす。気持ち良さそうな声さえムカついて口を枕で塞いで髪を掴んで乱暴にした。

それさえも向こうの思うツボでどうせまた他の男の所へ行くのは分かっている

「なんで一人に決められないの?」

「みんな好きだからだよ、そこに差は無いよ。パンの気分の日もあればご飯の日もあるでしょ?」

「俺は食べものかよ」

ふふ、と楽しそうに笑う顔がまたムカつく。でも体温が温かくて気持ちいい。

そうして一晩過ごしてまたどこかに行った。まるでエサを求めてさまよう野良猫のようだ。

またきっとその内来るだろう

「…俺はパンなのか」

ご飯の男はどんな奴だろうか、そいつにも乱暴にされるのだろうか

女という生き物は良いよな、必死こいて相手を探さなくても簡単に見つかる。それが例え利用されているんだとしても寂しさは埋まる。

男はそうもいかない、社会の歯車として働き続けて年収も上げて見た目にも気を使って優しくしてようやく異性に相手をして貰える。

別に誰でもいいなら金で買えばいい話だけど残念ながらそうする位なら一人で居た方がマシだ。

「…あ、ライン」

煙草を吸う手が止まらない。

スケジュールに予定を入れる。

まだまだ食パンとして利用して利用されるようだ。

食パンが美味しい。バターの日もあれば餡子の日もある食パンな彼が好き

シャワーを浴びる音を聞きながら彼の事を思い出していた。

「シャワー浴びないの?」

「うん、もういいや。疲れちゃった」

そうゆうと満足げに擦り寄ってきた。かわいい。頭を撫でてあげると猫みたいで余計にかわいい。

「そういえば食パンの彼とは最近どうなの?」

「仲良くしてるよ」

「そっか、相変わらずだね」

そう言って事を済ませてイチャつくのも程々にパソコンへ向かう。この人は束縛しないのが少し寂しいけれどその楽さに甘えていられるのが好き。

そこに差異は無い。私はみんな好き、そう思って正当化しているのかもしれない。ただ誠実で在りたいのでウソは付かないようにしている。

男性というものは単純だ。性欲を吐き出せれば他の些細な事は受け入れてしまう。都合のいい生き物だ。

仕事の邪魔をしないように携帯を弄る。次いつ会う?とラインを入れてみた。すぐ既読になった。

こんなのいつまでも続かないかもしれないけれど今はまだ味わっていたい

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