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ヤコブソン・バレエ団 ダンサーインタビュー No.2 大塚カレン【日本時代編】

こんにちは!

ヤコブソン・バレエ団ダンサーインタビュー企画・第2弾として、
現在アーティスト(コール・ド・バレエ)大塚カレン
インタビューをお送りいたします♪

カレンさんは現在バレエ団で唯一の日本人ダンサーです。
(アジア人でも唯一!)

はじめに、簡単なプロフィールをご紹介。

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大塚カレン
神奈川県大和市の佐々木三夏バレエアカデミーでバレエを始める。
2016年よりロシアのワガノワ・バレエ・アカデミーに留学。
2018年8月、ヤコブソン・バレエ団(ロシア国立サンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエ)に入団。

バレエを始めたきっかけやロシアのバレエ団で働くことになった経緯など、プロのバレリーナを目指す方の参考になるお話を伺いました。
全3回に分けてお送りします♪

~Vol.1 日本編~

Q1.バレエをはじめたきっかけは?
母が何か体を動かす習い事をさせたいと思い、私をバレエ教室に連れて行ったのが始まりです。自分からバレエをやりたいと言ったりしたことは無いようで、バレエを習い始めたのもなんとなくの流れでした。

Q2.日本ではどのようなバレエ生活を送っていましたか?
4才の時に、地元にあるバレエ教室に通い始め、高校3年生までずっとそちらでお世話になりました。
最初の頃は習い事という感じで週に1日、学年が上がるにつれて週2日、3日、4日…とレッスンの頻度は増えていきました。バレエ教室では、クラシック・バレエだけでなく、コンテンポラリー・ダンス、キャラクター・ダンスなど、色々なダンスに触れる機会も多く、年に1度の発表会では創作過程から参加することもありました。その時に培った集中力や理解力は、プロとして踊る上で役に立っていると今とても実感しています。プロになると、踊りの技術は勿論、振付を覚える頭の回転の早さだったり、振付家が言っていることを的確に理解することもとても大事になるので…

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私がいた教室の発表会は、ゲストでプロの方がたくさん出演していました。
例えば、イギリスのバーミンガム・ロイヤル・バレエ団でプリンシパルとして活躍するダンサーの方が出演したり、先輩方も第一線で活躍するプロフェッショナルな方が多かったです。本番だけでなく練習も含めて、間近でそのような方々の踊りを見られることが勉強になりました。刺激をもらえる環境にいることができたのは、とても幸運だったなと思います。

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中学生の頃になると、先生に直接お願いしてコンクールに出させてもらいました。優秀な生徒は先生から声を掛けられて出場していましたが、私はそうでもなかったので直談判してという形でした…(笑)「直談判して」と言うと、すごくやる気のある人のようですが、友達に一緒に先生に言わないかと誘われてコンクールを初めて意識したくらいで、当時はそこまでバレエに対して積極的ではありませんでした。でも、自分から言い出したことなので、「出場するからには…」とほぼ毎日あった練習は頑張っていたと思います。

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Q3.直談判して出場されたコンクールはいかがでしたか?
成績は散々でした…(笑)
特に出場し始めて数年はほとんど入賞できたことはありません。
ですが、良いのか悪いのか、入賞できなくて悔しいという気持ちはありませんでした
ただ、上手く踊れなくて悔しいと思うことは勿論あって、自分の課題と向き合うためのコンクールだったと思います。高校生になって発表会でパ・ド・ドゥ踊らせてもらえるようになるまでは、”舞台上で、1人で踊る機会”というのはコンクールだけでしたので、とてもいい練習にもなりましたし、舞台で踊ることの自信にも繋がりました。それと、同世代の出場者の踊りを観ることで、自分の課題が見えてくることもあったので、出場した意味はあったと思います。
成績はあまり気にしなかったと言いましたが、高校2年生の時に出場した全国鎌倉バレエコンクールで1位を戴いたことがあって、その時はやっぱり嬉しかったです。バレエは点数で測れるものではありませんが、自分の踊りが良かったと認めてもらえるのは素直に嬉しいものです。

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Q4.なぜワガノワへ留学することになったのですか?
高校生になり進路を考えた時、自分にはバレエしかないと悟り、海外で踊りたいという気持ちが生まれました。
ローザンヌ国際バレエコンクールが海外へ行くきっかけになるかもしれないと思い、出場したいと先生に申し出ましたがこちらは叶いませんでした。当時の私は、それ以外に海外に出る方法を考えられなかったので途方に暮れていました。
ちょうどその頃、ウリヤーナ・ロパートキナさんの講習会があることを知り、気分転換に受講しに行きました。当時の私はあまりバレエについて詳しくなかったため、怒られてしまいそうですがロパートキナのことも名前を知っているくらいでした。ですが、佇まいから動きの一つ一つまで、美しいお手本を目の前で見て、すっかり魅了されてしまいました。
その後、ロパートキナの講習会を主宰する中川三千代先生に、先生が毎年開催しているワガノワ・バレエ・アカデミー短期留学ツアーへの参加を勧められたことで、初めて海外へと足を踏み出す機会を得ることができました。


Q5.短期留学はいかがでしたか?
短期留学は約2週間でしたが、あっという間の出来事でした。
日本ではパリ・オペラ座スタイルのレッスンを受けてきたので、ワガノワ・メソッドでのレッスンに頭の中は大パニックでした(笑)顔の付け方、脚の上げ方、パッセの高さ、回る前のポジション…とにかくついていくことに必死で、加えてロシア語が全く分からず緊張で終わってしまいました(笑)
ですが、ヴァリエーションを見てもらえる時間があり、そこでは今までやってきたことを落ち着いて見てもらえることができました。その際に指導していただいた先生に、正式にワガノワ留学のオーディションを受けることを勧められ、毎年栃木県で開催されているオーディションに参加することを決めました。

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Q6.オーディションはいかがでしたか?

レッスン形式のオーディションでしたが、緊張することなく楽しんで受けることができた記憶があります。ワガノワで短期留学した経験が活きたのだと思います。

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2016年7月に栃木で行われたワガノワ・バレエ・アカデミーの留学生オーディションに見事合格されたカレンさんは、その2か月後にロシアへと旅立ちます。

子どもの頃はあまりバレエに関心がなかったというカレンさん。
しかし、様々な経験や出会いを経て
バレエの道で生きていくことを決めます。

次回は【ワガノワ留学時代編】をお送りします♪
お楽しみに!

★大塚カレンの【Instagram】アカウントはこちら★
↓↓↓
https://www.instagram.com/le_karen_gend/


取材:インプレサリオ東京
写真:塚田・長川写真事務所、ONELIFEフォトスタジオ

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