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私の好きな絵本#1📚

このnoteでは、私の好きな絵本(たまに本も)をランダムに紹介して行きます。小学生の時までは、図書館でよく絵本を好んで読んでいたのですが、いつのまにかその楽しさを忘れていました。それから美大で絵本を考察したり作ったりする機会があり、大人になってから改めてその面白さや奥深さを知ることになりました。今ではこどもの時とは違った視点で絵本を楽しんでいます。ここでは自分のための絵本の記録とすると共に、大人でも楽しめる絵本の魅力を少しでもお伝えできたら幸いです。

第1回目は、台湾の人気絵本作家「ジミー・リャオ」の処女作である『森のなかの秘密』を紹介します。

この絵本は、当時グラフィックデザイナーだったジミー氏が初めて作った、一人のおんなの子と大きなウサギの不思議な冒険を、モノクロの線だけで表現した作品となっています。カラフルな絵本が多い中、このモノクロの表現が新鮮で、大胆かつシンプルな構図で構築された不思議な世界観がとても魅力的な一冊です。
人気作家となってからのジミー氏の作品のは、絵がカラフルで心温まるストーリーが多いので、モノクロ表現のこの絵本はちょっと珍しいかもしれません。

この物語は、ある水曜日に部屋で一人でお昼寝をしていたおんなの子のところへ、突然大きなモコモコうさぎが窓際にやって来るところから始まります。そして、おんなの子と大きなモコモコうさぎの不思議な冒険へと続いて行きます。
大胆かつシンプルな構図なので、ページをめくるごとに動きがあり、読者をどんどん不思議な世界へと誘います。林を抜ける場面や空へと続く階段を登る場面、空を飛ぶ場面など、とにかく場面展開がとても面白いのです。
また、ギョロッとした目が印象的な登場人物のうさぎが、ちょっぴり怖い印象を与えるかもしれないので、人によって好みが分かれるところですが、この可愛らしくない絵こそが不思議な世界を創る重要な要素の一つになっていることは間違いないでしょう。

2002年に出版されてから既に絶版となっていますが、中古で手に入れることが出来ます。気になった方は下記のリンクからチェックしてみて下さい。

『森のなかの秘密 』ジミー 作/高梨いなさ 訳/出版:PHP研究所(2002/9/1) https://www.amazon.co.jp/dp/4569618537/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_y2nMCb5JN2G1D@amazonJPさんから

◇ さらにジミー・リャオ作品の世界に浸るには

ジミー氏の作品は絵本だけでなく、実際に絵本の世界を体感できるアート作品や映画、グッズ展開などもあります。本国の台湾だけでなく、日本でも彼の絵本以外の作品を見ることが出来ます。新潟県で3年に一度開催される国際的なアートのお祭り「大地の芸術祭」や長野県で開催される「北アルプス国際芸術祭」に参加されていました。

今ではカラフルな色彩と可愛らしいキャラクターの絵本の方が、世界的に有名な作品となっています。先に紹介したモノクロの絵本と同様に構図の大胆さが魅力的で、想像力を掻き立てる素敵な世界観になっています。また、現代に生きる人々の心の淋しやちょっとした問題などを取り上げながらも、心温まるファンタジーに昇華させたストーリーは秀逸です。大人の心にも響く絵本の力は、本当に素晴らしいなと思います。

ここではほんの一部しか紹介出来ていませんが、少しでも興味を持たれた方は、先ずは気になる絵本から気軽な気持ちで読んでいただければと思います。大人になったからこそ気付かされる、意外な発見があるかもしれません。

・2015年大地の芸術祭   http://www.echigo-tsumari.jp

・2017年北アルプス国際芸術祭   http://shinano-omachi.jp

・2010年台湾で映画化された「星空」https://hoshizora-movie.com
日本ではやっと2015年公開された作品です。








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イラストレーター・デザイナー | 森や山の自然とファンタジーを愛するデジタル派 | 主にiPadProたまに絵の具・インク・色鉛筆などでイラストを描く | 自身の絵を生かしたデザインを得意としています✍️ ▷ https://linktr.ee/aisa.imocher_5