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【放送後記】#3 心配性を軽くする:心配は役に立たない?! ウェルズ先生の来日話

心配が魅力的な思考なのか?

 心配をしたことはないという人はいないと思います。今回の第3回放送で心配の話はいったん終わりにしますが、本当はもっと心配のメカニズムについて知ってもらえるような話もしたいなと思っています。心配は問題解決的な思考でもありますが、やり方を間違えると不安を煽ってしまう思考にもなってしまいます。
 頭で考えながら心配すると、どんどん思考が連鎖していきます。その心配の内容は、書くよりも早く、話すよりも早く、内容が展開しているように感じますし、実際にそうだと思います。そして、1つ1つを丁寧に吟味するよりも、不安になるような「問題」を次から次に生み出している状態になってしまい、「発狂するかも・・」と感じる状態になってしまう人もいます。
 そんな時は、軽ワザ「心配の遅延」を使うのもいいですし、心配のスピードを落とすことも良いです。つまり、話したり、書いたりすることで、心配のスピードを弱めてみるのです。心配のスピードを弱めることで、だんだんと冷静になり、落ち着いて考えられるようになってきます。

ウェルズ先生はもともと心配性の研究者

 私の専門が専門にしている治療法は「認知行動療法」というものです。認知行動療法にもいろんな理論と技法がありますが、私は「メタ認知療法」という理論をずっと専門にしています。今回の放送で紹介したウェルズ先生は、メタ認知療法の創始者です。しかし、ウェルズ先生を最初に知ったのは、メタ認知療法を開発されるよりも前の時でした。その時は、注意と感情障害の関係や心配関係の本や論文を書かれている時でしたので、私の中のウェルズ先生は心配の研究者のイメージが強いです。
 放送で紹介したワークショップに参加した後に、ウェルズ先生にサインをいただきました。ウェルズ先生の本にサインをいただいたのですが、ちょっとした「心理」ではない会話がありました。サインを書いていただく本の裏表紙の部分に・・当時は流行っていたリラックマのシールを貼っていたので、このシールは何ですか?ということを聞かれました:笑。「日本では、クマのプーさんよりも有名なクマのリラックマです」と答えたら、少し笑ってくれました:笑。

心理学の知識を楽しくご紹介できるように、コツコツと記事を積み上げられるように継続的にしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。