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【放送後記】#8 自分の行動ルールを変えてみる

自分のルールが一番変えにくい

 私たちの行動は全て自分ルールに基づいて行われていると言っても過言ではありません。社会的なルールや常識も、自分ルールとして落とし込まなければ、実際は社会的なルールは守られないわけですから、「自分ルール、恐るべし」なんです。そして、自分ルールは自分で作ったルールであるがゆえに、そのルールを変更することは困難を極めます。
 自分ルールと他人の自分ルールを擦り合わせることで対人関係が円滑になったり、多くの自分ルールの共有が「常識」となることは理解できますが、自分ルールが誰かに押し付けられたものである場合は苦痛を感じますし、こんな自分は嫌だと思うことが増えてきます。たとえば、親に教えられて身についた習慣や振る舞いは、嫌だなと思いながらも身についてしまっていると、対人関係などで不都合を感じることがあるかもしれません。それでも、ルールが確立している場合は、そのルールを変えるのは難しいのです。人は未知のものに対する恐れや不安を感じやすいので、変化(特に自分自身の変化)は、より不安を感じるため、嫌だと思いながらも不適切なルールに基づいて振る舞ってしまうものです。

自分ルールを変える魔法のことばと行動

 自分ルールの文法はどんな感じになっているか考えてみます。おそらく多くの場合は「〜だから**できない」というものです。一見すると普段使っている言葉なので、自分ルールというほど大袈裟な表現には思えないかもしれません。しかし、「状況」をコミにして考えてみます。締め切りが近いけど、やる気が出なくて、なかなか作業に取りかかれないという状況をイメージしてみてください。「やる気が出ないから、作業に取りかかれない」というルールが出てきませんか?「〜だから**できない」の文法(ルール)です!この場合、多くの人は、さすがに締め切りが近ければ、やる気が出なくても作業に取り掛かるにきまっていると思うかもしれません。その時のルールは、「やる気が出ないけど作業に取り掛かる」となると思います。文法的に表現すると「〜だけど**する」です。お気づきかもしれませんが、「〜だから」ではなく「〜だけど」に変換しています!この意識を持つことで、行動に移しやすくなるかもしれませんが、まだちょっと行動に移すには十分ではないと感じれば、「〜だけど**したい」と気軽な感じに唱えてみましょう。「**する」から「**したい」と変換されています。実際に、私たちの行動は、理由があっても行動できないことがあります。それでも、行動することが自分にとって価値のあることであれば、最初から完璧に行動しようとしないで、少し行動してみるからスタートするといいかもしれません。行動を始めると、徐々にやる気のボルテージが高まってくるものです。
 行動を始めるということ以外にも、自分ルールはあなたの行動を狭めています。たとえば、本当は素敵な仲間になれるかもしれないのに、本当は大好物なものになるかもしれないのに、「嫌い」や「苦手」などの思い込みでチャンスを逃していることもあります。そんな時は、意識的に、苦手なものと関わってみることをお勧めします。きっと新たな世界が見えてくるはずです。

心理学の知識を楽しくご紹介できるように、コツコツと記事を積み上げられるように継続的にしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。