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会議の流れを止めてでも発言しなくてはいけない時

NPOでも会社でも組織であれば、たくさんの会議があります。組織内部のものもあれば、外部の人との打ち合わせもあります。

私が過去に組織に所属している時は、そこでの役割がありましたので、それに沿って発言していればよかったです。

例えば、NPOで事業マネージャーをしていた時は、代表に対しては報告をしたり、意思決定してもらいたいことを判断材料として伺いをたてたり、課題があれば相談するなどですし、メンバーやインターン生に対しては進捗の確認をしたり、新しい企画の話し合いをしたりといったことです。

自分が組織での役割を意識すればするほど、事前に準備をすればするほど会議はスムーズに流れていきます。

NPOの伴走支援者として団体さんと関わるということは、こうした当たり前に繰り広げられている会議の現場に入っていくことになります。すると、組織に所属していた時には感じられなかったことが、感じられるようになりました。それは、

「これは会議の流れを止めてでも発言しなくてはいけない」

ということです。

繰り返し行われる会議には慣性があって、「あれ?」「これはどういうこと?」みたいな小さな疑問やモヤモヤがあったとしても止められず、どんどん流れていきます。

それにあらがって発言してみても、とっさのことでうまく説明できず「で、何がいいたいのですか?」と言われて答えられなかったり、「どうしたの?」という周囲の眼差しに耐えきれなくなってしまい、「自分の思い過ごしかな・・・」と自分の心の中でも流されてしまうことが多いです。

その流しまくったものが、のちのちの回復しようのない違和感や、実際の不利益となって自分に返ってきます。

流してはいけない代表的な5つのパターンをご紹介します。

1.会議参加者の頭の中の前提情報がバラバラで話が噛み合わない時

毎回会議に参加している人でも、頭の中の情報がバラバラの時があります。それは、きちんと事前に情報を伝えているが受け手の関心度が低かったり、情報の伝え方が誤解を与えるものだったり、様々な理由があります。

第三者として入った時は、その理由はわかりませんが、理解度がバラバラだなというのは感じます。

なので、発言者が話したいことの前提となる情報はどのように会議参加者に伝えられたのか、そして参加者はその前提を現在どう捉えているのかをお伺いします。

すると多くの場合、差がありますので、そこを埋めていくことをしてもらいます。その上で話し合いを再開してもらうと噛み合った議論になります。

これを放置すると、一ヶ月後に「あの時言いましたよね!」「はぁ?そんな影響あるときちんと言ってないよね」みたいな無意味な論争につながる時があります。

2.わかったふりをしている人が多い時

会議の参加者を見ていると、わかったふりをしている人がいることがわかる時があります。わかりやすく表情に出る人はまだよくて、うなずきながらも理解していない人がもいます。

うなずきながら理解していない人を認識するのが難しいのですが、とりあえず何かについて意見を発してもらうと、わかる時があります。

回答が明らかにおかしければわかりやすいですし、表面的すぎる浅い回答でもわかりやすいです。逆に会議中に興味なさそうだったり、態度悪い人の方がよくわかっていたりして、新たな気付きがあったりもします。そういう人は、周りの理解度の低さと会議の意味のなさに辟易しているだけなんでしょうね。

わかったふりをしている人がいる時は、第三者の私から、「すみません!参加して日が浅くてわからないので教えてください」と質問して回答をもらうのですが、それでもわかりにくい時は「すみません・・・せっかく説明してもらったのですが、全然わからないです・・・・」と停滞感を醸し出すと、他の誰かが「私の解釈ですけど、○☓△▢」とわかりやすく説明してくれたりします。

「すみません・・・全然わからないです」は発言者を傷つけるかもしれませんが、周りのわかったふりをしている人にきちんと理解してもらえる機会になったりします。

3.何か圧がかかっている時

第三者として参加した会議がなんだか重苦しい会議の時は、特定の人から、他の参加者に何かしらの圧がかかっていることが多いです。

これは参加者からすると精神的な苦痛がすごいです。が、これが定例化されているとすると、かなりのマインドコントロールの要素が入っています。つまり圧をかける側の「私の言うことを聞いて、その通りに動けばいいだ」という思惑ですね。

意図的にそうすることもありますので、圧をかけている方のねらいが事前にわかっていればスルーでいいのですが、無意識に圧をかけ続けている場合は何かしら対応した方がいいです。

この対応はシンプルで、参加者の心の声を言葉にして圧をかける発言をしている人にフィードバックをすることです。直球でフィードバックすると険悪になってしまうので、こんな感じです。

「そんな言い方したら僕なら泣いちゃうな(笑)」「いつも会議ではそんな感じで発言されているんですか?(驚)」「そのコメントはいろんな解釈ができる発言ですねー。悲しむ人もいるかも。」「めっちゃマッチョな指示!ウケる!(爆笑)」

重苦しい雰囲気がなくなれば、多くの人から意見が出やすくなります。

4.湧いてきたアイデアを交換する時間がちょっともない時

定例化した会議は、進捗の確認、タスクの確認、レビュー、意思決定、そうしたことが議題になりがちです。

例えば、クラウドファンディングをお知らせするリストをつくって、人に割り当てて、実際に告知したかどうかを確認していく作業はとても重要ですが、参加者の想像力が求められることはありません。

やることをタスク化して取り組むことは目標を達成するためにとても大切です。でもそればかりだと息苦しくなってきますよね。

人が盛り上がる時って、参加者それぞれの想像力が発揮されている時が多いので、少しでもそうした時間があるといいと思います。

でも、いきなり想像力を発揮してくださいと言われても困りますよね。なので、新しい発見とか気づきにスポットライトをあてると話が拡がっていきます。

外部から見ると珍しいことや価値があることはすぐに分かりますので、そこをきっかけにお話をしていきます。

例えば、「先程、ちらっと、最近○○な問い合わせが多いって発言されていましたけど、もう少しきかせてください」と質問して、その答えがきたら、「それってどういうことでしょうね?」とその方の推測を聞かせてもらい、それを「それってすごい気づきですよね!」と承認するといったことが挙げられます。

そうした自分が感じたことを言葉にして伝えて、それが承認されると勇気につながります。勇気がある人が集まるとその場にエネルギーが充ちてきます。想像力にはそうした場をあたためる効果があると思います。

5.一発でアウトな発言をしている人がいる時

それを言ったらおしまいだよ。ということを発言する人がいます。もちろん法の範囲内のことなのですが、相手をすごく傷つけてしまう、信頼をなくしてしまう、周りの人を威圧してしまう、特定の人を卑下することになる、差別的な言葉などです。

特に一発で信頼をなくしてしまう発言をしてしまうケースをよく見ます。これまで伝えてきたことや、共に作り上げてきたことを、まったく理解せずに、自分の狭い了見で話をしちゃう人。相手が「えっ?」という表情になって、さっと表情が曇っていきます。アウトになった瞬間です。

相手がお客さんや受益者、寄付者、資金提供者の場合、アウト発言を放置すると、そのプロジェクト自体がなくなる可能性があるので、アウト発言が出たら、すぐに全力でフォローしなくてはいけません。

この時のフォローの方向性は、言い換えです。「○○さんのその発言は、これまでプロジェクトを進めてきた方からするとビックリする内容ですけど、どういう背景でおっしゃってますか?」とお伺いして、その回答を、自分で言い換えて「なるほど!ということは△△について懸念されているということですね。有益な視点ありがとうございます!」と意味を変えます。

無意識にアウト発言をする人は本人にそれをお伝えしてもわからないので、その方の上司や関係者にフォローすることをお願いするしかありません。そこも視野にいれてはたらきかけをします。

さいごに

日常の会議において放置してはいけない5つのケースをご紹介してきました。私みたいな外部からの関わりだと、止めるポイントに気づきやすいですし、はたらきかけもしやすいですが、団体内部の方だとなかなか対応が難しいと思います。

第三者の目をいれて会議をしていくのも健全な会議運営には必要なことなのかもしれません。


私はNPOの伴走支援をしています。今回のnoteを読んで、第三者の目として入ってもらいたい!と思った方は公式LINEのチャットやホームページの問い合わせからご連絡ください。



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