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リレー小説

18
3人でリレーで作る小説。
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記事一覧

第17話 普通の結末

せわしない日々は翔に考える時間すら与えない。 オフィスで百合子の隣に座るたびに、早苗とす…

imakai
5年前

第16話 改心

全部リセットしたいな。 その夜、翔は珍しく弱気になっていた。最近色々ありすぎた。上手くや…

imakai
5年前
2

第15話 裏返し

「ふふふ」 思わず笑えてきた。 喉から手が出るほど欲しかった翔の心を、その手で握りつぶした…

imakai
5年前

第14話 それでもいい

こんな展開は予想していなかった。 翔に言われるがままついて行き、軽い夜食を作った。 ついこ…

imakai
5年前
1

第13話 切り札

それから緊急会議が開かれ、翔が担当するはずだった業務は山本悟に引き継がれることになった。…

imakai
6年前

第12話 看板

別に何の予感もしていなかった。 その日はただ普通の1日で、朝はいつも通り起きるのが億劫だっ…

imakai
6年前

第11話 思い出してよ

終電はもうない。 秋の心地よい風が、夜の12時半を回った六本木を通り抜ける。 なんの根拠もないけど応援されている気がした。 今日はきっと、あの人に会える気がする。 ショーウィンドウに飾られたブランドバックを眺め、あの人はいつかこんな素敵なバッグをプレゼントしてくれるだろうか、と妄想だけが早足で進んで行く。 酔った勢いで「好き」と言ってしまって、逃げるように別れてからもう一ヶ月以上経った。 あれから何回か連絡をしてみたけど、忙しいのか断りのスタンプが送られてくるだけ。 バカ

第10話 ハリボテ

結局こうなったか。希は触れ合うことで温まる体温に逆らい、心が急速に冷えきっていくのを感じ…

imakai
6年前

第9話 嘘の定義

「久しぶり!」 できるだけ、何事もなかったかのような声を取り繕った。 大体の場合はこちら…

imakai
6年前

第8話 嵐の前に

結局バーには行けず、気づけば金曜日になっていた。 悟のおかげか、一昨日から弁当が届いてい…

imakai
6年前

第7話 追い込まれた女

ガコン、ガコンガコンガコン 早苗の下卑た笑みが霞んでいく。 さっきまで高台から哀れな早苗…

imakai
6年前

第6話 できっこないをやらなくちゃ

見た目がめちゃくちゃ好みで、相性も良い。 そんな人に出会うことはかなり稀だ。 そこから更に…

imakai
6年前
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第5話 対処

軽はずみな発言は、すべきではない。 翔はテーブルに置かれた弁当箱を苦々しい思いで眺める。…

imakai
6年前
2

第4話 最初の女

深呼吸。 こういうときこそ、まずは深呼吸。 誰かが家に入ったかもしれない緊急事態を冷静に対処するために、鏡をみて自分を落ち着けた。 心臓の激しい鼓動を無理やり押し込めるように自分の目を見つめるけれど、嫌な思い出が勝手に頭を巡る。 過去に1人だけ、鍵を渡した彼女がいた。 堺朱里。大学院生の終わり頃から社会人になるまで付き合っていた。 念入りに手入れされた長い黒髪とナチュラルすぎないメイク。大体の男が好きな感じ、と言えば想像つくだろう。 社会人になるまで世田谷の実家で暮らして