場所がいいとモノは売れるのか。
「場所がいいですよね。」
seesawsにいらっしゃる方々が必ずといっていいほど口にしてくださる一言です。
私はこれを「便利な場所にありますよね」という意味で解釈しています。
確かにアクセスしやすい場所であることは認識しています。吉祥寺という街は交通の便もよく、たくさんの商店や商業施設があり、駅からの徒歩圏内に大きな公園もあるので、いろいろな人たちのいろいろなニーズに応えられる街です。だからこそ「住みたいランキング」などで上位に挙がってくるのでしょう。
seesawsは、そのような街の、駅から徒歩7分くらいの、最近話題の大正通りというところにあるので、アクセスの良さはseesawsの売りの一つとしてご案内しています。
でも。その「いい場所ですね」という言葉の裏に見え隠れする、時として大きすぎる期待に気がついてしまうとき、胸がザワっとすることもあるのです。(ならないこともありますよ、もちろん。)
そのザワッとの正体は、「いい場所だから私の商品も絶好調に売れるはず!」「いい場所だからたくさんの人が来てくれるはず!」という神頼みにも近い過大な期待。
うん、わかります。私もそれを願います、本当に、心から。
では本当に「場所がいいとモノは売れる」のでしょうか。
交通アクセスがいいというのは、メリットになりますね。
路面店というもの、メリットでしょう。
近隣に人気店舗、話題のスポットがあるというもの、ありがたいことです。
けれども。「場所が良ければ、それだけでたくさんの人が足を止めてくれて、入店してくれて、買ってくれる」というのは少し違うと思うのです。
最近、とくにコロナ禍以降、人々は目的地を明確に持っていて、そこををめがけて、一点集中で出かけていく傾向にあると思うのです。これは私自身の買い物の行動をみてもそう。
どこどこのあのお店に行って、あれを買おう!さあ行こう!すたこらさっさ。こんな感じ。
で、用事が済んだらまたすたこらさっさと帰る。(お茶くらいはするかな。)
言い換えると、すでに知ってる(下調べをした)あの店に行って(もしくはあの人に会いにいって)、あれを買おう。もう、そう決めてる。
「いい場所ですね」の場所だけに期待を寄せてしまう危うさがここにあります。
いくら人通りがたくさんある路面店であっても、事前に人々の目的地になっていなかったら、やっぱり足は停めてもらえないのです。商品を手に取っていただけないのです。買ってもらえないのです。
「いい場所ですね」といっていただくのは、とても嬉しいですし、私もそこがseesawsの売りのひとつだと認識しています。でも「いい場所だから、まちがいなく何でも売れる」ということは残念ながらありません。
人は「知らないモノ」はまず買いません。「あらステキ」と思っても、いったん家に帰り、ちゃんと調べ「やっぱりいいものなんだわ」と確信をしてからネットショップで買ったり、後日出直して買う、ということはあるでしょう。
ということは、すでに知られているもの、下調べをたくさんされているもの、ファンがたくさんいる作家さんやブランドにとって「場所がいい」というのはプラスにしか働きません。
けれど、これから私の作品、商品をたくさんの人に買ってもらうんだ!という場合は「場所さえよければ売れるは幻想」と捉えておくほうが、後々のダメージが少なそうです。
ではどうしたら「いい場所」を最大限活かせるか。
それはやはり日頃の情報発信と、イベントの情報発信、事前に調べてもらう仕掛けだと断言できます。
事前の下調べをしてもらえるような準備や仕掛けを怠らない作家さんやブランドは「場所がいい」ことが相乗効果を生みます。「場所のよさ」を最大限に活かしていただけたら、seesawsを運営する私としても、本当に本当に嬉しいことで、seesawsに関わる方々が、もれなく全員この相乗効果を生み出せるように、私は私で日々気づいたことをこれからも発信していきます。
今日も誰かのお役に立てたら嬉しいです。
こんなnoteも書いています。
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