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連載(1):人類の夜明(理想世界への誘い)「まえがき」

この記事は『かとうはかる(著)「人類の夜明」』を連載しています。

まえがき

これからご紹介する本【理想世界への誘い】は、1995年7月に近代文藝社から出版したものですが、今改めて読んでみてもこの本の中に流れている精神は、少しも輝きを失っておりません。

いや失うどころか、一段と輝きを増しているようにさえ思えます。

というのも、人類は今、完全に物質文明に埋没し、あるべき心を見失っているからです。

私たちが見て感じているこの世界は、本当にある世界では無いのです。

現象の世界、あるいは幻の世界といわれ、あるように見えるけれど実際には無い世界なのです。

その幻の世界に人類は、今必死になってバベルの塔を築いているのです。

このような愚行に走るのは、本当の人間を知らないためです。

つまり、人間を単なる肉の塊と思い違いし、精神部分を忘れてしまったためです。

私がこの本の中で訴えているのは、まさに人類が忘れた精神部分です。

社会は歴史の積み重ねによって変化しても、精神は永遠不動のものです。

その永遠不動の精神をないがしろにし、今人類は無常の物集めに躍起になっているのです。

このまま進めば、間違いなく大きな悲劇を生み出すでしょう。

物質に幸せを求める生き方を、私は全面的に否定するつもりはありませんが、行き過ぎは良くないのです。

今人類があらゆる面で行き詰まっているのは、あまりにも物質に偏り過ぎたためです。

これを打開するには、物から心への価値観の転換が必要です。

いや物から心への価値観の転換は、もはや時代の要請なのです。

私たちは、科学の進歩が人に幸せをもたらすものと思い違いしておりますが、心の伴わない科学は危険こそあれ、決して幸せをもたらすものでは無いのです。

なぜなら、科学は人の心が運用するものだからです。

人の心が未熟では、科学は凶器です。

だから宇宙は人類に、科学の全容を明かそうとしないのです。

人類の心が成熟したら、成熟した分きっと明かしてくれるでしょう。

同様に社会も、人類の心の成長と共に自然と変わるべきもので、一人の権力者によって、或いは一人の思想家によって、強引に変えるべきものではないのです。

したがってこれから紹介する社会モデルも、過渡的なもの、或いは暫定的なものと考え、決して囚われないようにして下さい。

ただどんな世界になろうと、精神は変わるものではないので、この部分だけは手放さないようにして下さい。

将来理想世界を建設するに当たり、この本が叩き台として少しでも役に立てば、出版した意味も出てくると思います。

どうか皆様の記憶の片隅にでも留めておいて下さい。

いつか必ず役立つ時がくると思います。

2009年9月
かとうはかる

※中高生にも理解できるよう、出版本原文に手を加えてHPに掲載してあることをお断りしておきます。(2011年10月 かとうはかる)

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