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ゼロから始めるモダンカリグラフィー速習講座2:実践編

カリグラフィーを練習開始する前に絶対すべきこととして、前回は3つの質問に答えて「目指す方向性」と「ゴール」の設定する方法について書いた。

今回はやっとペンを握ってモダンカリグラフィーの実践練習に入っていく。


モダンカリグラフィー習得の3ステップ

最初にこのサイトに出会っていたかったぁぁぁ!と激しく叫んだほど、カリグラフィーの情報がまとめてあるサイト、Lettering Daily。
このチュートリアル記事を片っ端から読み込んでみて、おしゃれなモダンカリグラフィーを身につけるには、次の3ステップで進めるといいとわかった。


▽ Lettering Daily

▼モダンカリグラフィー習得の3ステップ
STEP1 基本ストロークを筆ペンで書けるようにする
STEP2 シンプルなアルファベットを書けるようにする
STEP3 躍動感を出す飾りを書けるようにする


ベーシックなカリグラフィーならSTEP2まででOK。
どんなタイプの文字を習得するにも、基本的にはこの3ステップを駆け上がっていく形になる。

3つのステップの後は、自分の目的に応じて自分の個性を出したり、スキルの幅を広げたりするためのオプション。

例えば、
・色をブレンドしてグラデーションをつけたり
・飾りの絵(月桂樹のリースなど)を追加したり
・跳ねる文字(Bouncing)で書いたり
・様々なレイアウトや構図で書いたり
・デジタルツール(CLIP STUDIOなど)で描いたり
など。

基本さえできるようになれば、オプションの広げ方はいくらでもある。

スキル習得はやはり守破離。
基本が重要なので、こちらも順を追って説明していく。


▶ STEP1 基本ストロークを筆ペンで書けるようにする

モダンカリグラフィーの小文字アルファベットは基本ストロークの足し算でできている。


Lettering Dailyのチュートリアルや、トンボのサイトにあるように、基本ストロークさえしっかり書けるようになれば、すべての小文字アルファベットが規則正しく美しく書けるようになる。

画像1


実際にストロークごとに色を変えて書いている動画を見ると納得できる。


どのカリグラフィー教本でも学習サイトでも、まずは基本ストロークの練習からスタートするのは、これが理由だと思う。
その例にもれず、基本ストロークをなぞりながら体で覚えるまで練習をするのがおすすめ。

基本ストロークの練習は、カリグラフィーの教則本を使ってもいいし、練習シートを無料で提供してくれているサイトもあるので、そういうのを活用してもいい。


使えそうなリンクはこちら。

▽ 無料の基本ストローク練習シート等
・Lettering Dailyの練習シート一式(イチオシ)
https://www.lettering-daily.com
※メール登録が必要だが、モダンカリグラフィー以外のタイプの文字の各種練習シートが全部入っている。

・細い筆ペン用練習シート:
ぺんてる筆タッチサインペン、トンボ筆之助など
https://bydawnnicole.com/basic-strokes-worksheets-small-brush-pens/

・太い筆ペン用練習シート:
トンボATBなど
https://bydawnnicole.com/basic-strokes-worksheets-large-brush-pens/



▶ STEP2 シンプルなアルファベットを書けるようにする

基本ストロークが書けるようになったら、アルファベットをなぞって書いたり、お手本を見ながら書いたりして練習する。絵やイラストの練習でトレースと模写をして、書き方を体で覚えるのと同じ要領。


【アルファベット小文字】

アルファベット小文字に関しては、無料の練習シートがネット上にいくらでもあるので探してみて、自分の好きなタイプを見つけたほうがいいと思う。

Google画像検索か、Pinterestの検索窓に「modern calligraphy practice sheets free」とか、追加で「brush alphabet」とかをクエリとして入れて検索すると、お好みのものが見つかると思う。日本語だとあまりないので英語サイトの方がおすすめ。

と思っていたら、最近カリグラフィーのプロの方がnoteを始めてくれていたので、日本語がいい方はそちらを読んでみるのもおすすめ。あと1ヶ月早く出会いたかったnote。だがしかし出会いに遅い早いはないはずだ。きっとそうだ。


▽ 小文字アルファベット練習ツールの一例
・Lettering Dailyの練習シート一式(イチオシ):既出
https://www.lettering-daily.com

・(日本語)はまね先生の解説動画+練習シート


日本語がいい方はこちら。どちらもエレガントタイプ。
・ぺんてる
http://www.pentel-fcg.jp/pdf/elegant01.pdf

・トンボ
https://tombow-funart.com/topics/tips/2173/


・動画で学びたい人はこちらのYoutubeもおすすめ



【アルファベット大文字】

大文字は筆ペンの太さによって雰囲気の全然違う2タイプがあるからかもしれないが、フリーの練習シートがあまり見当たらない。

有料で販売されている練習シートや、カリグラフィー教則本を持っている人はそれを使うのがいいと思うが、無料の情報で行きたい人はYouTubeや気に入った手書きフォントを使って自分で練習シートを作るのも一つの手である。

とにかくお手本となる練習シートを入手し、小文字と同様に手が覚えるまで書いて練習。以上、とてもシンプル。


▽ 大文字アルファベット練習ツールの一例
Lettering Dailyのチュートリアル記事著者のLoveleigh Loopsの美人双子姉妹のYouTube。ここからも大文字練習シートはダウンロードできる。


自分の場合、細い筆ペンの大文字は、Pinyon Scriptフォントに非常に類似しているので、これをPCに入れて適当にAからZまでならべた練習シートを作って、それを見ながら練習もした。

参考までに作った練習シートの画像を貼り付けておく。

画像2


少し次のステップにかかるがフローリッシュの要素が入っているが、大文字小文字全部の練習シートはここからもダウンロードできる。
https://www.twoeasels.com/blog/free-flourish-practice-sheets



▶ STEP3 躍動感を出す飾りを書けるようにする

モダンカリグラフィー特有の躍動感あふれる、ふわっ、くるんとしたあの飾りの線はFlourishと呼ばれている。

"Flourish"は「繁栄させる、木々を繁らせる」という意味の英単語なのだが、感覚的には「もしゃもしゃにする」という方がわかりやすい気がする。
シンプルなアルファベットを書いたあと、文字をもしゃもしゃにすべく飾りをつける。


Flourishのやり方はこのチュートリアルに詳細に書いてある。

▽ HOW TO GET STARTED WITH CALLIGRAPHY FLOURISHING


ここまでロジカルにFlourishについて説明してくれているサイトは他に見つからなかった。ほとんどは感覚的にここらへんにふわっと入れる的な解説サイトが多い。


個人的にはチュートリアル記事の最後にある無料の1週間オンラインレッスン講座が非常におすすめ。その気になれば1日でできる量なので取り組みやすい。

わかりやすいけど長いチュートリアルなので、要点を抜粋すると「3つの基本ルール」を守って、もしゃもしゃにすべき「5つの候補ポイント」に、ほどよくFlourishの飾りを入れると美しく書けるというもの。

●3つの基本ルール
1:すべての基本は楕円形
2:線は90度で交差する
3:太線どうしは交差しない
●5つのFlourish候補ポイント
1:上ループ
2:下ループ
3:Tの交差線
4:文字の終わり
5:文字の下

詳細はチュートリアルの方に譲るが、Flourishを習得する上でやることは結構シンプルで次の3つの練習。

練習1:楕円やその派生系(無限大やバネみたいなの)をキレイに書けるようにする練習
練習2:特定のアルファベットをFlourishingする練習
練習3:Flourishした単語を書いてみて、3つの基本ルールを守っているかチェックして修正する


練習1,2ともに練習シートを使って練習するのが一番簡単。
案外、右巻きのネジみたいなぐるぐるはさらっとかけても、左巻きはうまく書けないとか、やってみると意外にも楕円を書くのって難しいことに気付いてびっくりするはず。

ちなみにこの時は、最初は筆ペンよりもシャープペンシルで書く練習をするのがおすすめ。筆ペン由来の書けない理由を一切排除して、純粋に自分の手で楕円がかけるようになるために手や腕を動かす練習をするのがいい。一種の筋トレに近い。

練習1,2が終わったら、練習3として自分で独自に書いてみて、基本ルールに沿って書けているか細かく赤ペンチェックするとグッとレベルが上がる。

という流れを無料オンラインコースですべて解説動画と練習シートを提供してくれているので、ホントコレを使った方が絶対早いと思う。何度もおすすめしているが、回し者ではない。


STEP3まで練習すると、いくらでも自分で自由に躍動感あふれるモダンカリグラフィーが書けるようになって、自信もついてきていると思う。

そうすると、カラーにしたり、デジタルで書いたり、格言のカリグラフィとかにもトライしたくなったりしてくる。


次回は最後のまとめの応用編として、長いセンテンスのカリグラフィのやり方と、個人的に最初に知っておきたかったコツについてまとめる。


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