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『テス』トマス・ハーディ

はじめに:ミソジニー

テスは、英文学をかじった人ならば誰でも知っているであろう作品である。今回は、この文学作品のミソジニー的な側面に焦点を当てて議論をしていきたい。

異郷から来た女史が何者か知りたい人はこれを読んでくれ。

そして、女史のnoteをどう読むか、こちらを参考にしてくれ。

テスと2人の男:波乱万丈の展開

テスは、田舎で育てられた純粋な少女だ。とある事故をきっかけに、テスは貧窮に陥った家庭のために奉公に出ることになる。そこからテスの悲劇が始まる。奉公先で、とんでもない遊び男アレックに目をつけられて、強姦されてしまうのである。

その後テスは別の奉公先で働き始める。そこで善良な男性クレアに出会う。彼とテスは恋に落ちる。テスは、自身が処女ではないことに非常に負い目を感じていたが、クレアの熱心さに負け、ついに承諾する。

ハネムーンの途中で、クレアがテスに、自身が過去に別の女性と肉体関係を持ったことを告白する。テスも、自身がアレックに犯されたことをクレアに告白する。するとクレアはその事実にショックを受け、テスと別居し、海外に移り住むことを決意する。

捨てられたテスは、別の奉公先で働き始める。そこでなんと、アレックと再会するのであった。アレックは再びテスに目をつけ、執拗に狙う。テスはそれに根負けし、ついにアレックと同居を始めるのであった。

クレアは、海外でテスに対する思いを募らせ、ついにイギリスに帰国し、テスのもとを訪ねる。しかし彼女がアレックと同棲していたことに失望する。テスはそれにショックを受け、アレックを殺害してクレアを追いかける。

最終的にテスは捕まってしまい、死刑宣告を受けるのであった。

おわりに:男女差別と貞操観念

本作は小説として読むと非常にどろどろとしていて興味深いのではあるが、それよりもやはりこの時代の厳しい男女差別が目に付く。

テスは完全なる被害者であるにもかかわらず、クレアから蔑視されてしまう。とんでもない話である。さらに、アレックは何の罪にも問われず、のうのうと生きている。これもとんでもない話である。

貞操観念に対する男女差別は現代でも根深く残っている。ばかばかしい話である。いつになったら男性は女性に理想を押し付けることをやめ、女性は男性の理想を受け入れることをやめるのだろうか。


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