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落語の稽古

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落語塾での稽古模様を記事にしています。
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お客さんとの信頼関係構築

先だっての落語塾の稽古。楽天家誠健さんへの稽古は、かなり高度な指導をされていました。 楽天家誠健さんは漫才のネタを落語に焼き直したネタなのですが、わかる人にはわかるというシャレたネタなんです。 ちょっと詳しい、通好みのネタなので、万人にはウケにくいといえます。なのでわかる人にはわかるという対象をしぼることになります。 対象をしぼるのはいいのですが、その対象の方々を聴く気にさせないといけないのですね。 対象は通な方々となるため、演者のレベルを測っておられるため、そのあた

落語稽古日でした

先日、落語塾の稽古日であった。11月に発表会なのに、ぼくが一番できていなかった。文華師匠は心配されていた。 普段から稽古を積んでいたつもりであったが、実際には稽古不足を露呈した内容だった。 稽古を終え、文華師匠からの指導は以下の2点。 音源を週に3,4回は聴くこと 台本の整理をすること この指導の意図は、ぼくの噺は世界観が見える。目線や気は乗っている。そこはすごく良い。世界観が見えるというのはなかなかできるのもではない。ただ、まだ言葉が入り切っていない。ゆえに、言葉

仕草は言葉を補完する

落語塾の稽古も11月の発表会に向けて、佳境にはいってきました。 この時期の稽古は、目線や、言い方、仕草など、より本番に向けた実践的な稽古指導に移っています。 中でも、ちょっとした仕草の指導が目立ちます。 仕草が聴き手であるお客さんの頭の中の画の解像度が鮮明になるので、ちょっとした仕草がとても重要になると稽古模様を観ていて思います。 先だっての稽古では、文華師匠が腕をまくる仕草の指導を塾生にされていたのですが、その仕草があるのかないのかでは、聴き手の受けとり方が全く違って

落語は紙芝居のように覚える

先日、焼酎亭そらまめさんの落語の覚え方のスタイルについて書いた。 ふと、自分の覚え方ってどうなんだろうと振り返ってみた。 音源を確保し聴いている 台本の文字起こしをしている 声を出して音読している 以上のことは常にやっているのだけども、稽古のときには、文華師匠から「セリフが入っていない」、「セリフを追っている」と指摘を受ける。 毎日、稽古をしているのだけども、なにか肚に入っていない感があるのは確かだ。 ただ毎年、ある時期を越えると、肚に入った稽古ができるようにな

1on1稽古に立ち合うことが稽古となっている

先日、落語の1on1稽古がありました。参加している塾生が文華師匠に1on1で稽古をつけてもらう日でしたので、稽古会場には文華師匠と塾生一人と僕は立ち合いとして参加していました。 他の人の稽古をみているだけでも稽古になる。と、文華師匠は良く言われます。特に1on1稽古では、細かいところを指導されるので、稽古を観ていて、勉強になります。 塾生が受けている仕草や息づかいの指導を自分にあてはめて稽古をすると、それまでと違った動きや表情になっているのが自分でもわかります。 聴き手

1on1稽古でした

昨日は落語の稽古でした。文華師匠と塾生の1on1での稽古。ガッツリ集中した濃厚な稽古の時間となりました。僕の出番はなく、塾生のみなさんの稽古でした。 台本を肚にしっかり落とし込んだ状態で、文華師匠から言い方や仕草等を細かく指導いただきます。ちょっとした言い方で登場人物像にズレがでてしまうため、稽古を止めて実演をいれながらの指導をされていました。 言い方においては、息の入れ方で人物像の解像度がくっきりしてきます。そのうえで仕草で補完することでさらに鮮明度がでてくるのです。

1on1稽古の段取り

来週、落語の稽古がある。今回は個別稽古だ。いつもは全員集まって一人一人の稽古を全員で観ているのだけども、今回は文華師匠と1on1稽古で、集中した緊張感のある稽古の日となっている。 先日、稽古の時間割の段取りをおこなった。案外スムースにできたと思う。実は段取りにもコツがあると思っていて、今回でようやくコツが掴めたような気がしている。 今回はLINEのやりとりで時間割を決めた。いつもはリアルに集まる稽古の時に決めるのだが、オンライン出席の方もいるため、リアルでのやりとりがむつ

「書割盗人」を稽古してみた

お誘いを受けた9月の落語会のネタを検証していた。これまで演じたのは11席でそのうち候補を4つに絞っていた。 けったいな噺好きな僕は、選りすぐりのけったいな噺ばかりを候補に挙げていた。が、note上で、これまで演じた全部のネタをひとつずつ検証していくと、どれもやりたくなっている自分がいた。 ひとつしか選べないので、どれが良い改めて吟味していると、盗人ネタがいいなと思うようになった。 持ちネタでいうと「おごろもち盗人」「書割盗人」のふたつである。どちらも少し癖のあるネタでは

「おごろもち盗人」の稽古してみた

お誘いを受けた9月の落語会のネタを検証していた。これまで演じたのは11席でそのうち候補を4つに絞っていた。 けったいな噺好きな僕は、選りすぐりのけったいな噺ばかりを候補に挙げていた。が、note上で、これまで演じた全部のネタをひとつずつ検証していくと、どれもやりたくなっている自分がいた。 ひとつしか選べないので、どれが良い改めて吟味していると、盗人ネタがいいなと思うようになった。 持ちネタでいうと「おごろもち盗人」「書割盗人」のふたつである。どちらも少し癖のあるネタでは

稽古は都度変わる

落語の稽古をつけてもらうとよくある場面。 指導してもらった内容を直してくるも、次の稽古では、違う内容として指導されること。 「えっ、直してきたけど、また直されるの?」ととまどうことが、あるあるです。 直してきたことをさらに直されることは、つながっていないように見えるのだけども、実はつながっているようだ。今の自分の次元では見えないのだが上段者にはしっかりと見えている。下段者が課題をクリアしたときの景色が見えているのだ。 下段者の自分には見えていない。ここで大切なことは「素

稽古ラストスパート

落語発表会まであと3日。ラストスパートです。 今朝も通勤中の車の中、声を張り上げた。台本の暗記は大丈夫そうだ。 この段になると稽古するたびに、面白い表現を思いつく。思いつくと差し込みたくなる。差し込むとなると、覚える内容がちょっと変わる。変わると、これまで覚えている感覚も変わるため失敗しだす。本番の失敗が怖いので元に戻す。こんなことを繰り返しながら稽古している。 本番で台詞が飛ばないようにを第一にすると、せっかくの思いついた工夫を活かすことができない。でも台詞が飛ぶのが

稽古には3つの眼が必要だった

今回、発表会までの稽古は不足していた。結果として稽古量はいつもと同じくらいだったが、何か稽古が不足していたように思う。 やっぱり、自分を観ながら稽古していなかったことになるか。動画を観てそう思った。おもろい表情や目線や仕草など、チェックが少なかった。また事前に動画を撮って確認することも怠った。 いつもは等身大の鏡とコンデンサーマイクを使って仕草と声のチェックをしていたが、今回はそこの稽古ができておらず、客観的に自分を観る機会がこれまでとくらべて圧倒的少なかった。 いかに

最後の稽古

落語発表会まで10日。昨日は最後の稽古日であった。 最後だけあって、メンバーは結構仕上げてきた感であった。文華師匠から細部の指導が入る。この細部の指導には、さまざまな理屈が入っており、メンバーへの指導を横から聴いていても、唸らされる。 そこまで考えて演じてはるのか、しかし理屈を聴くと、そうだよなと思うのである。噺家さんは常にお客さんから見える状況を意識して演じており、違和感を持たせないようにしている。 違和感を持たせると小さなストレスが積み重なり、最後には聴くシャッター

落語自主稽古「二人ぐせ」編

先日、落語仲間と11月21日の発表会に向け自主稽古をおこなった。前回までの稽古時に文華師匠から指導された点の改善と、演じた内容が聴き手に伝わっているのかを確認することを目的とした自主稽古であった。 「いらち俥」の森田さんは、人力車の手すりの持ち方 「二人ぐせ」の伊藤さんは、噺前半の、詰まろかなの解消 各々の課題を確認し、部分部分、演じている意図と受け取った意図を確認した。二番手は伊藤さんの「二人ぐせ」でした。 前回の稽古では、噺の後半を繰りかえし練習していたこともあり、