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『カラマーゾフの兄弟』を彩った楽曲たち

昨日に引き続き
ドラマ『カラマーゾフの兄弟』の
魅力について書きます。

本作を語るうえで、
忘れてはならないのが、
音楽の魅力です。

音楽は本作のために
作られたオリジナルの楽曲もあり、

そちらも『カラマーゾフ』の
不気味なムードを出すのに
大きな役割を果たしています。

また、オリジナルの楽曲だけでなく、
既存の楽曲から
選曲されたものも多くあり、

これらが作品の魅力を
引き立てる大きなアクセントに
なっていました。

本作を観ていて、
まず、驚いたのは、
海外の古典をベースにした本作に

洋楽のロックを
組み合わせたところです。

一番印象的だったのが、
この楽曲です。

ザ・ローリング・ストーンズ
『Pain It, Black』です。

1、2、5、最終話で
挿入曲として流れ、

いずれも大きな場面転換の際に
流れる曲でもあったので、
メインテーマのようにも
感じられました。

’66年に発表され、
全英、全米でヒットチャート
1位を記録したヒット曲です。

ミック・ジャガーの
若々しい歌声、
荒々しいサウンドが
苦悩する三人の若い息子たちの
雰囲気ととても合っていました。

私自身は、本作を観て、
はじめてこの楽曲を知り、
最初はストーンズとも知らずに
聴いていました。

とにかく渋くてかっこいい曲なんです。

ちなみに、タイトルの『Pain It, Black』は、
「黒く塗れ」という意味であり、
「カラマーゾフ」の意味とも
ピッタリあっています。

※カラマーゾフ(Карамазовы):
 「黒く塗る」という意味

ロック系で
もう一つ印象に残ったのは、
こちらです。

ニルヴァーナ
『Smells Like Teen Spirit』です。

この曲も1、6、最終話と
多くの回で使用され、
シーンにもバッチリ
ハマっていました。

こちらは、
’91年に発表された
同バンドの代表的な曲です。

この曲は知っていたし、
ニルヴァーナの名前も
もちろん知っていたんですが、

私自身はこの曲が
ニルヴァーナの曲だという
認識がありませんでした(^^;

めちゃくちゃカッコいいですね。

ニルヴァーナは、
全然聴いたことがないんですが、
「聴かなくては!」と思いました。

ロック系の楽曲では、
この二つが多く使われており、
メイン級の扱いでした。

他にも、ビートルズ、
レッド・ツェッペリン、
ピンク・フロイド、レディオヘッド、
などの曲も使われていたようです。

どれも知らない曲ばかりでしたが、
かっこいい曲ばかりでした。

また、オーソドックスな
イメージとしての

『カラマーゾフ』にも合った
クラシック曲も多く使われており、
こちらも印象的でした。

サン=サーンス
『死の舞踏』

サミュエル・バーバー
『弦楽のためのアダージョ』

ラヴェル
『亡き王女のためのパヴァーヌ』

これらのクラシックが
古典らしい味わいを引き立て、
ロックが若者の苦悩を
演出するというバランスですね。

このように、まったく異なる音楽を
シーンに合わせて、
バランスよく配置し、

しっかりと一つの
映像作品に仕上げているのが
すごいです。

さらに、前回の記事でも
述べたように、

映像の質感は、
彩度・明度を落とした
落ち着いたものです。

この映像が
かっこよくならないはずが
ありませんね。

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