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文字の連なり
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#書評

「魔笛」 野沢尚 著

出世の道を絶たれた若手警察官が連続爆弾魔を追う話。公安警察とか信仰宗教、洗脳、幼児虐待などのテーマが周辺を固める。
ところどころグロテスクな描写があったが、それ自体が目的ではないように感じ、気持ち悪さは感じなかった。
残り100ページ強ぐらいからロングスパートに入り、そこからは一気に読んでしまった。目まぐるしく場面展開し、クライマックスに持ってかれます。
過去を振り返る形で、犯人の一人称で物語は述

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「サラリーマンサバイバル」大前研一 著

2001年初版の本です。マッキンゼー入社1年目の頃、終業後や土日に会社に出社して、マッキンゼーの過去のコンサルティング案件のレポート(マイクロフィッシュという媒体に記録していたらしい)をひたすら読んでいたというエピソードが印象的でした。

世のサラリーマンは、時間を会社に切り売りするだけの知的ブルーカラーから、自らが付加価値となる知的ホワイトカラーを目指そう、という内容だと思いました。

完全に余

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「使える!悪用禁止の心理学テクニック」 岡崎博之 編著

編著者には申し訳ないですが、こんなタイトルの本を買って読んじゃう奴の顔を見てみたいと思ったあなた、それは僕です。

普段は特に紙カバーなどもつけず、さらのカバーのまま本を読む僕ですが、カバーをはがし、なるべくタイトルが分からないように通勤電車で読んでいました。だってこんなタイトルの本を読んでいたら、あいつ危ないやつだと思われそうだと思ったからです。岡崎さんすみません。

こういう心理学テクニックっ

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「Ψの悲劇」森博嗣 著

「Ψの悲劇」を読んだ。このGシリーズを最初から読んでいる者としては、随分話しの方向が大きく変わってきたなあという感じだ。加部谷さんが探偵役だったころが懐かしい。

もはやミステリーなのかこれは、という感想です。どちらかというと、かなりSF寄りだなあと思った。物語の最初の方は、御屋敷に主人の知人たちが集まり、執事が居て、人が死に、素人たちによる推理が始まり、と、古典っぽい雰囲気で個人的にはワクワクし

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