田中宝紀-IKI TANAKA

NPO法人青少年自立援助センター定住外国人支援事業部責任者。海外ルーツの子ども・若者の学習と就労を支援。(http://kodomo-nihongo.com) Yahoo!ニュース個人オーサー。愛夫家。2019年度文科省外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議委員

田中宝紀-IKI TANAKA

NPO法人青少年自立援助センター定住外国人支援事業部責任者。海外ルーツの子ども・若者の学習と就労を支援。(http://kodomo-nihongo.com) Yahoo!ニュース個人オーサー。愛夫家。2019年度文科省外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議委員

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    • YSCグローバル・スクール インタビュー

      • 9本

      YSCグローバル・スクールで働く先生やコーディネーターにフォーカスしたインタビューシリーズです。

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        • 9本

    最近の記事

    参議院『国民生活・経済に関する調査会』で海外ルーツの子どもの就学課題についてお話ししました。その時の資料とスピーチ原稿など。

    参議院・国民生活・経済に関する調査会に参考人として出席しました。 調査会については、こちらのリンク https://www.sangiin.go.jp/japanese/kaigijoho/shitsugi/204/s805_0217.html をご参照いただければと思います。追って、議事録も公開されるかと思います。(いつになるか不明) 当日の様子:インターネット審議中継のアーカイブでご覧いただけます。 https://www.webtv.sangiin.go.jp/web

      • 誕生日を祝ってもらうのが苦手だった子どもが、「ください!」と言えるようになるまで。

        いじめられっ子でした。 同級生の自宅で開かれる誕生日会には、ほとんど呼ばれることがありませんでした。教室の隅っこでじっと辞書(!)を読んで、絵をかいて、学校での長い長い時間をやり過ごしてきました。あの頃の自分には「学校を休む」という選択肢はなくて。 「今月、誕生日なんだ。(だから、祝って)」 小学生時代、中学生時代、高校時代、フリーター時代。いつも、なぜか、そういうことをサラっと言える子がいて。そのたびに「自分との違い」に驚いた。天地がひっくり返っても、口が裂けてもそんな

        • 「分断の対義語」はなんですか?

          先日、ジャーナリストの堀潤さんが監督の映画「わたしは分断を許さない」を、一足先に観させていただく機会に恵まれた。 (映画の内容は、同映画ウェブサイトや関連記事がたくさんあるのでそちらに譲るとして。まずはぜひ、こちらの予告編を) 大きな主語に隠れてしまう真実を、各地で生きる小さな主語を通して見つめる映像の数々に、分断は、思いのほか身近であることを知る。「分断」という言葉は、そのくらいどこか、遠いことのようなイメージを抱いていたんだろう。 彼の、彼女の、身近なあの人の、あな

          • 「天井」

            日本語教育推進法が無事、参議院本会議で可決・成立した。このあたりのことはYahooの記事にまとめると思うので今は割愛。でも、まさか一つの法律の誕生を、これほど「自分事」として捉え、具体的な(微々たるものだけど)アクションを起こし、最後まで見届けることになるとは思わなかった。(「政争の具」みたいな、ニュースで聞いたことしかないような言葉に精神的に”翻弄”されることになる、みたいな経験も生まれて初めてのことだったし・・・) 人生は何があるかわからない。 昨日、この法律の成立を

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          • YSCグローバル・スクール インタビュー
            YSCグローバル・スクール(NPO法人 青少年自立援助センター) 他

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            「日本に来たから」というだけの理由で、子どもたちの未来の可能性がしぼんでゆくようなことは、終わりにしたいから

            今日も、参議院文教科学委員会は開かれない模様。そう。衆議院を通過した日本語教育推進法案の審議が、↓の記事の通り、まだ行われていません。 日本語教育推進法案ってなに?という方はこちらを。 子どもたちの時間はどんどん流れてゆく。その間に私たちの「無責任」によって失われるものはその子どものその後の人生に大きな影響を及ぼす。日本語教育は59%がボランティア頼み、自治体に丸投げで特に子どもや生活者が日本語を学ぶ機会は地域によって質と量に大きな格差がある。言語発達の重要な時期にある子

            海外ルーツの子ども・外国人の日本語教育「国が、自治体がなんとかすべき」とは、それは本当にその通りなんだけど。「日本語教師」が「食べられる」仕事になっていくことで、(一時的に)失うであろうものは大きいのか小さいのか。

            約10年前、目の前に現れたたった1人の「この子」を支えることからスタートして、私が捉える「主語」は地域、自治体、都道府県、国と次第にどんどん大きくなってきた。 私は海外ルーツの子どもの課題の社会化を目指してきたし、その社会化の先には当然「政策化」が目標としてあったわけで、つまりこれまでの流れは私にとって順調な「ステップアップ」とも言えるのかもしれないけれど。 ともすると、「誰のために」がどこかに置き去りになってしまうこともあって、いかんいかん、とはっとする。そんな自分に気

            改正入管法と海外ルーツの子どもの「課題」はつながってそうで、つながってない。そもそも今に始まったことじゃないんだから。

            「外国人」に関わること、嵐のような日々はまだまだ続いてる。私たちの元にも連日のようにメディアの取材依頼とか、連携の打診とか、いろいろな波がやってくる。 この嵐は、だいたい2018年の6月に骨太の方針で外国人労働者の受け入れについて言及されたあたりが始まりで、同年秋の臨時国会で入管法改正の議論が本格化すると超大型の猛烈な台風となり、大小さまざまなメディアが次々と外国人や海外ルーツの方々の現状を報じ始めた。改正入管法で定められた新しい在留資格「特定技能」の2号が、家族の帯同が可

            #すべての人に日本語を。日本語教育機会を公的に保障するとボランティアの活躍の場は失われるのだろうか。

            私は、ああ、私(たち)の発信は肝心なところに届いていなかったのだな、と思った。以前、とある地方で講演をしたときに、地元でボランティアとして長年にわたって海外ルーツの子どもを支援なさってきた団体の代表の方のお話を聞くことがあった。 手弁当、手作り、愛情にあふれたサポートの中で、きっと子どもたちは安心して日本語を学んでいるのだろうな、と思うような活動紹介で、ボランティアの方々の取組に頭が下がる思いだった。 その代表の方のご講演の中で、日本語教師の(公的)資格化や日本語教育の体

            日本語がわからない中で、クラスメートからほとんど声をかけてもらうこともなくなってしまった子どもたちはきっと、すごく苦しかったと思う。日本語教育の「自治体丸投げ」「ボランティア頼み」「手探り」そろそろ終わりに。

            昨年12月の1ヶ月で、新たに入所した生徒は15名。東北や山陰・山陽地方からも、日本語や学習支援機会を求めてオンライン受講者が。今週は近畿からも受講の相談があり、日本語教育の機会って本当に本当に不十分なんだな、と思う。 YSCに集まる相談の中で、オフでもオンでも多いのは、「毎日日本語を勉強して、早く上達したい」というニーズ。これに対応するためには、しっかり雇用された日本語教育の専門家が必要であって、ボランティアの方々に頼りっきりの現状はやはり問題が多い。 海外ルーツの子ども

            海外ルーツの子どものそばで傘をさす人が、今はまだ、もっとたくさん必要で。

            今、かつてないくらい慌ただしい、です。現場がバタバタしているのは常だけれど、それ以上に「周囲」が慌ただしい。”とつぜん”「外国人」が注目を集めている関係で、私たちもその余波を少なからず受けています。 私のここ数年来のミッションは「海外ルーツの子どもの課題を社会化すること」で、その点からすれば今現在、数多く(本当に多い・・・)のメディアが取材や相談に訪れ、記事になったり、情報が拡散されたりすることは好ましい。さらにありがたい。うれしい。しかし、いざ課題がこれだけの注目を集める

            チャンスなのに不安が尽きない気持ちを正直に書いてみると・・・。

            びみょうな空き時間ができたので(本当は空いてるハズないのだけど)、ひっさびさにnoteをひらく。ここ数か月でいろーんなことがありました。個人的には「未曾有」と表現しても良いくらいの事態が「外国人支援業界」には巻き起こっていると思ったりします。 その余波を受けて、ありがたいことに「子ども」×「日本語教育」フィールドにいる私たちの活動もかつてないくらいの注目を集めております。2015年あたりから「イシューレイジング」、海外ルーツの子ども達が直面する課題の社会化、を掲げて発信して

            田中、「外国にルーツを持つ子ども」って呼び方やめるってよ。(小さくマニアックな新年度の決意)

            呼び方定まらず、もやもや 年度末がまだ終わらないけれど、日付だけは新年度になったということで、2018年度の(小さな)決意を。「外国にルーツを持つ子ども」という呼び方はまだまだ定まりきっていなくて、支援者や地域によって「外国につながる」「外国につながりを持つ」「ミックスルーツ」「外国由来の」などなど、バラバラ。 そもそもこれらの呼び方が「良い」のかどうか、そもそも「当事者」である子どもたち自身にほとんどこれらの呼び方が知られていない、などを含めていろいろな議論や課題がある

            「日系四世の更なる受け入れ」がはじまろうとしています。

            法務省が日系四世の更なる受入れについてのパブリックコメントを今日、2月21日まで受け付け中です。 もともと現行制度では、「定住者」の在留資格で在留する三世等の実子が未成年かつ未婚である場合にのみ日本への入国や滞在が許可されていたのですが、今回の入管法改正でそれをさらに拡大し、一定の要件をクリアした場合に限って成人の日系4世にも在留を認めようとするものです。 この改正が行われれば「素行や日本語能力などの要件を満たした18歳以上30歳以下の日系四世」の受け入れ枠(年間約4,0

            気になる…支援者の高齢化と担い手不足

            金曜日、土曜日と山口県の2か所でお話しする機会をいただきました。 今回、山口県や周辺で活動する団体のみなさんや、関係者の方々と情報交換もさせていただいたのですが、あらためて「外国人散在地域」の課題や、技能実習生の増加による地域へのインパクトの大きさを実感しました。 特に気になったのは「支援者の高齢化」(担い手不足)。多文化共生関係の活動に最初に取り組んできたパイオニア世代が60~70歳台に入ってきていて、体力的にもそろそろ厳しい状況。このパイオニア世代の方々は、お話を伺っ

            文化庁「日本語教育人材の養成・研修の在り方について」パブコメ提出完了。

            文化庁が今日、1月26日までタイトルの報告案に対するパブリックコメントを募集中。「生活者(留学生や旅行者でない人)」や子どもの日本語教育を行う人材に対して、その資質や能力を明示しつつ、身に着けておくべき知識や技能について整理したもので、私も有識者によるワーキンググループ会議を傍聴したり、議事録をチェックしたりしてきました。 けっこうこれまで「ボランティア頼み」だったり、「手探り」で、質や在り方もバラバラ、ということもあった生活者や子どもの日本語教育に、はじめて「こっちの方向

            Bluetoothを活用してみたらリモート教育の課題が解決した話し。

            おはようございます。雪の残る東京の西側です。 昨日のnoteで紹介したICTを活用した遠隔地子ども日本語教育プロジェクト(NICOプロジェクト)。もともと、【全国に10,000人いる無支援状態の子どもたち】へ、日本語教育機会を提供することを目指して立ち上げたものなのですが、私たち単独では、10,000人をカバーすることが困難。 なので、プロジェクトは「モデル」としてオンラインでリアルタイムに日本語教育を行うノウハウを積み上げ、それをほかのNPOや国際交流協会、自治体などに