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文化庁「日本語教育人材の養成・研修の在り方について」パブコメ提出完了。

文化庁が今日、1月26日までタイトルの報告案に対するパブリックコメントを募集中。「生活者(留学生や旅行者でない人)」や子どもの日本語教育を行う人材に対して、その資質や能力を明示しつつ、身に着けておくべき知識や技能について整理したもので、私も有識者によるワーキンググループ会議を傍聴したり、議事録をチェックしたりしてきました。

けっこうこれまで「ボランティア頼み」だったり、「手探り」で、質や在り方もバラバラ、ということもあった生活者や子どもの日本語教育に、はじめて「こっちの方向に行ってね」という灯台的なものができることについては、すなおに歓迎しています。

その報告(案)が昨年12月に公開され、それについてどう思いますか?という意見を広く募っていた今回のパブリックコメント募集。

いろいろ言いたいことはあるけれど、悩みぬいて、ポイントを絞って先ほど提出を完了しました。(間に合ってよかった・・・)

私が書いたポイント・・・

1)対象となる「児童生徒等」の範囲に、就学前の子どもや就学機会が得られない未成年の子どもが含まれている点と、外国人保護者もその範囲に含めるとした点に賛同した

2)「地域日本語教育コーディネーター」が担う、日本語の専門家として、日本語教育プログラムを策定したり、他の日本語教員や支援者に対する指導などを行う【アドバイザー的役割】と、関係諸機関との連携協力や、地域資源と学習者をつなぎあわせたりなどの【コーディネーター的役割】を分けたほうが良いのではないか、ということ。
→必ずしも、コーディネーターが日本語教育に関してフルスペック積んだ人材である必要性について懐疑的なのと、ただでさえ人材不足なのに、ステップアップを待ってたら時間がかかりすぎるだろうと思うところで。

3)今回は設定されていない「児童生徒等教育コーディネーター」区分を設けて、児童生徒等、子どもの教育(外国人保護者を含めて)のコーディネートに特化した知識やスキルを別途、分けておいたほうが良いのではないか、ということ。
→学校の中では、「日本語教育担当」になった先生が部活の顧問やその他の業務を兼任することも往々にしてある。その場合、「コーディネート的な部分は特別支援教育コーディネーターやスクールソーシャルワーカーが担う」みたいな役割分担をすることも。
→そうした場合に備えて、子どもと外国人保護者に対するコーディネートに必要な知識とスキルを【別】にしておけば、「日本語教育担当でない人」もポイントを押さえて研修をすることができるし、チームとして負担を分散もできる。

4)日本語教員は【養成】→【初任】→【中堅】→【コーディネーター】としてステップアップする、という形式になっているのだけど、それぞれの段階で、経験年数だけじゃなく、求められる知識やスキルがちゃんと身についているかどうかという「評価基準」も予め示したほうが良いのではないか、ということ
→もっとざっくばらんに言うならば「知識やスキルが身についていない人には、きちんとそれを伝えられる振り落としの仕組み」が必要。(でないと、質の担保はできないと思うし)

5)児童生徒等の日本語教育に必要な技能について、「個別のニーズに対応」するだけでなく、一定程度のレベルや能力ごとに【集団授業】を展開するスキルも養成したほうがいいんじゃないか、ということ

あたりを書きました。

あくまでも、「現状から一歩でも前進する」ために。
みなさんは、どのあたりをポイントにしましたか?まだ送ってないよ~という方は、1~2日遅れても大丈夫という情報もありましたので、ぜひ!

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