見出し画像

「繋がりを見つける。」


ジェイムズAロビンソン、ダロンアセモグル共著・「国家はなぜ衰退するのか」を読んだ。

現代の格差が生じる原因は無知説、地理説、文化説等様々な説がある。

地理説で世界的に有名な本はあるし、無知説は学者で推されている説らしい。

だが、この本はどの説も否定し格差が生じる原因は「制度」だと書かれている。

貧しい国が貧しいのは、権力を握っている人々が貧困を生み出す制度を作るからで地理や無知のせいではなく、故意なのであると。

そして、多数の資源を少数の権力者が搾り取る構造で所有権を保護せず経済活動へのインセンティヴも与えないその制度を収奪的制度と呼び

それが国家を衰退させる原因であると説いている。


基本的に収奪的制度をとっている国では技術革新は起こらない。

技術革新が起こるには創造的破壊が必要であり創造的破壊が起こると既存の常識を壊されてしまう。

既存の常識を作って甘い蜜を吸ってきた収奪的制度をとっている権力者にとっては、技術革新なんて起こされたら今の地位が崩壊する可能性があるからたまったもんじゃない。

権力者は自分の地位を守りたいがために収奪的制度をとっているんだ。

その結果、国自体が発展しないどころか衰退していってしまう。


では、国家が繁栄するにはどんな制度がいいか?

それは所有権を強化し平等な機会を創り、新たなテクノロジーとスキルへの投資を促す包括的制度だ。

さらに包括的制度は自由なメディアを発展させる。
自由なメディアは包括的制度への脅威に関する情報を提供し、それに対する抵抗勢力を結集させることが多い。

ただ、包括的制度は自然に生まれるものではなく収奪的制度を取っている権力者に対して反逆する人間が争いを起こさないと生まれにくい。



俺はこの本を読んで繋がりが見れたことが良かったと思った。

どういう繋がりか?


一つはある情報源と別の情報源との繋がりだ。

もっとわかりやすく書くとこの本の情報と

先日紹介した「暴力と不平等の人類史」に書かれてあった情報との繋がりだ。

紹介したように「暴力と不平等の人類史」では不平等を破壊し平等を手にするには暴力が必要であると説いている。

そして、今回紹介した本では包括的制度は権力者に反逆する人間が争いを起こさないと生まれにくいと説いてある。

つまり、どちらも本(情報源)は違うけど平等を生むために争いは必要なことと説いている。

最近読んだ二冊の歴史書から繋がりを見れたことはたまたまだけど良かった。

普遍的で説得力のあるものだとわかるから繋がりが見れることは重要なんだよね。(まぁ、たった二冊の繋がりだけだけど。)

歴史書は色んな説が書かれているから今まで読んだ歴史書の情報を参考にしながら読むと違いや一致を発見できるから面白い。



もう一つの繋がりは現代日本との繋がりだ。

昨日投稿したけど、俺は日本の将来はあまり良くないと思っている。

その一つの理由にメディアがある。

今の日本のメディアは国民が政治に関心を向けないような仕掛けをしている。

特にテレビに出る人間が政治的発言(というより現政権批判)をすることはタブーみたいな風潮があることは普通に考えておかしいでしょ。

権力者がテレビやメディアを牛耳っていると言ってもいい。

そう考えると日本はこの本で書いてあった自由なメディアではない。

ということは、日本の制度は収奪的制度の要素も入っているということ。

それもメディアが収奪的って結構終わっていると思っちゃうんだよね。

ただでさえ島国の日本人は多様性を受け入れずらいのにますますそうなってしまう。

そんな理由もあって俺は日本の将来はあまり良くないと思っている。


なんかまとまりがないけど

歴史書を読むときは
今までの歴史書の情報と比べたり、
現代とリンクさせながら読むと繋がりが見れて面白いし
俯瞰的に物事を観れるようになるよ。

歴史を知って繋がりを見つけよう。



この記事が参加している募集

推薦図書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?