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「ぜんぶジョークかもしれない。」


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では、本題。


映画・「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」を観た。


俺は映画とか本とかインプットしたものをアウトプットするときに、

「考えさせられる」という言葉は使いたくないんだよね。

考えさせられてどう思ったのか?が重要で言語化するべきところだからだ。


「考えさせられる」は言語化から逃げているといると思うんだよね。


だからなるべく使わないようにしているんだけど、この映画はかなり考えさせられた。笑


アートとは何か?

価値とは何か?

本物とは何か?


とくにこの3つを考えさせられたな。



この映画はバンクシーを追った映画ではない。


バンクシーは出てくるんだけど、彼が監督を務め、ある男を追ったドキュメンタリー映画だ。

だから主人公はある男。


それがティエリーだ。(アーティスト名はミスター・ブレインウォッシュ)


以下内容。



ティエリーは24時間365日カメラを手放さず、何でも撮影することが趣味だった。


そんな彼はあるキッカケで、さまざまな路上アーティストを撮影するようになる。


そしていつか路上アーティス界で伝説的なバンクシーのことも撮影したいという夢を持つ。


その夢が叶い、さらにバンクシーは彼のことを気に入り、今まで誰も許可していなかった現場にも連れて行くようになる。


ある時バンクシーは「今まで撮ったものを映画にすれば?」と提案し、


彼は路上アーティスト界を凝縮したドキュメンタリー映画の作成に取り掛かる。




しかし完成させた映画を観てバンクシーは絶句する。

「あれだけヒドイ映画を観せられたら、言葉に詰まってしまう。」


と振り返るほど。笑


そう、彼は映画を作ったり、動画編集ができるわけじゃなかったんだ。


ただただ純粋なカメラ小僧なだけだったんだ。


そこで代わりに

「小さいショーでも開けば?」


とアート作成を勧める。


こうしてミスター・ブレインウォッシュが誕生した。




しかしバンクシーの予想とは違い、


ティエリーはミスター・ブレインウォッシュとして、いきなり成功しようとぶちかました。


つまりいきなり大規模なイベントを開いたんだ。


長年アーティストたちに同行したおかげで、絵を創作する流れが自然と身についていた彼は、どんどん創作していく。


そしてバンクシーの推薦文をデカデカと広告に使い、その年一番話題を呼んだイベントとなった。


その結果、なんといきなり大成功を収める。笑



まとめると、

純粋カメラ小僧が路上アーティストに出会い、アート作成を勧められて見様見真似で創ったらソッコーで大成功しちゃった。


という話。



面白いのが、たしかに話題を呼びお客さんは喜ばせ成功を収めたけど、

他のアーティスト達はまったく彼のことを認めていないことだ。



バンクシーは言う。

”アーティストは苦労してスタイルを確立するが彼はそれをすっ飛ばした。
他に例がないよ。
彼には最初から価値がない。
彼の成功は何を意味するのか?
もしかしたら天才なのか?単なる運か?
アートなんてジョークなのかもしれない。”



他のアーティストも、

「アーティストとして世界に認められるのは容易じゃない。彼にはその準備ができていない。」

「ティエリーがこのまま成功したら驚きだね。誰が考えたジョークだか。」


と酷評だ。



”プロはその価値を認めていないのに、メディアは騒ぎ立て、一般人は絶賛する”


この構図がメチャクチャ面白いし、考えさせれたんだよね。




でもこれってもしかしたらいろんな場面で起きていることなんじゃないかな。


メディアは新しいこと、面白いことを見つければ取り上げる。


そのメディアを観ると俺みたいな一般人は、それには価値があるんだと思いこむ。


だけど価値ってなんだ?スゴいってなんだ?本物ってなんだ?


多くの人はメディアに踊らされているだけじゃないのか?


価値がある、スゴい、本物と判断できる人なんてほんの一握りの人間だけじゃないのか?



バンクシーが言ったように、アートはジョークなのかもしれない。


だけど、そもそもこの世がすべてジョークなのかもしれない。


そんなことを「考えさせられた」映画だった。


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