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会社を辞めた翌日の朝に感じた「生きているという実感」

3年半お世話になった日産自動車を退職しました。

最終出社日から一週間が経とうとしていますが、たくさんのチャンスをくださった上司の方々、暖かいご指導をくださった先輩方、夢中でデザインを一緒に考えた仲間たちへの感謝の想いで今も胸がいっぱいです。

この想いや感情は今後の人生でも決して消えることはないのだと強く感じています。

それと同時にいわゆる「ニート」になってみて感じたこと・考えたことがたくさんあった。というか現在進行形でたくさんあるので、書きたいと思います。

1日すべての時間を自分の選択で生きていく

会社を辞めた翌日の朝(正確には会社を辞めてから初めての平日の朝)に感じた感覚です。

会社を辞めてニートになると1日24時間すべてが自分の時間になります。

自分がやると決めたことしかやらなくていいし、自分がやったことしかモノゴトが進みません。

おそらく27年間生きてきたなかで一番多く自由な時間を手にした瞬間です。

子供のころは幼稚園や学校がありました。放課後には宿題がありました。

社会人になってからは1日8〜12時間を仕事、1〜4時間を通勤、帰宅後にデザインや仕事のための勉強をしていました。

それが今すべてなくなって、人生でいちばん多くの時間を選択できる状況になったのです。

お給料という安定した収入と引き換えに。


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2つの砂時計の砂が少しずつ落ちていくような緊張感

2つの砂時計とは「お金」と「信頼」の砂時計です。

「時間」は小学生でも社会人でもニートでも同じスピードで過ぎて行きます。

一方で「お金」と「信頼」の砂時計が減っていくのがニートの特徴です。おそらく。

会社を辞めた翌日、いちばんはじめにやったことは現在とこれからの収支計算。

今自分がどれだけの蓄えがあって、この先、固定費やライフイベントでどんなスピードでお金が減っていくのかの計算です。

結婚をして妻と生活をしているので、共同生活に入れるお金も計算します。

そうすると自分がいつまでニートでいられるのかがわかりました。

「お金」の砂時計の砂の総量と減っていくスピードがわかったのです。

そして、もう1つの砂時計「信頼」について。

「信頼」と似たような言葉に「信用」がありますが、下記がぼくの認識です。

「信用」・・・自分が過去に積み上げてきた実績や成果物に対しての評価
「信頼」・・・「信用」と現在の立ち振舞いから「この人なら何かを任せても大丈夫だろう」と期待する感情

「信用」は実績なので過去に嘘でもついていない限り減ることはないです。

一方で、なんでもないニートを続けると「信頼」は減って行きます。

これまでは、学校や会社に所属することでそのコミュニティーの名前の力を借りることができました。

会社を辞めてほんの少しの間は「日産自動車で3年半デザイナーをやっていた」というカタチで名前の力を借りられるかもしれません。

しかしこれができるのは、本当にほんの少しの期間だけです。

きっと1ヶ月、2ヶ月と時が過ぎていくにつれて「で、会社辞めてからは何していたの?」という疑問を対面した相手や社会が抱くのは明白です。

「信頼」の砂時計も減っていくのです。

「お金」と「信頼」の砂時計が減っていくことが確認できて。理解できた途端に、これまでに経験したことのないような慢性的な緊張感が押し寄せてきました。

ニートであり続ける限り2つの砂時計が減っていくのを止めることはできません。

ただ、自分自身の頭と手と足を使って、砂を足していくことはできます。

おそらく方法はいくつかあって、

①どこか会社に就職する。
②自分で事業を行う。情報発信をする。

などなど。

(今はパッと2つしか思いつかなかった。。。)

ぼくは当面の間、②を行いながら①に備えて動くというアプローチをとります。


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ひとつの個体として社会とつながっている喜び

事業と呼べるほどのスケールではないけど、生まれて初めて自分の手でゼロから作ったオリジナルプロダクトを一昨日リリースしました。

「コミットさん」という目標達成支援サービスwebアプリです。

「毎日20:00までに腹筋30回やる!」などの〆切時間と目標を設定。

〆切時間までに達成できていなかったらユーザーのTwitterに「おしおきツイート」が自動で投稿されてしまうというちょっぴりスパルタなサービスです。

プログラミング学習の成果物として、会社に勤めながら休日とスキマ時間を使って1ヶ月半くらいで作りました。

会社を辞めてニートになる自分が、毎日何かしらのアウトプットや行動をできるように。というのが開発の動機です。

ただ、作っているうちにプロダクトへの愛情が芽生え、次第に「自分以外の人にも使ってもらいたい」そんな思いが強くなっていきました。

自分のPCだけでなくweb上で誰のスマホやPCからもアクセスして使えるようにする。という目標に切り替えた途端に

・実装しなければいけない機能の量の増加
・セキュリティの課題
・運用方法はどうするか

など、たくさんのハードルが現れてきました。

もちろんそのほとんどが初めて経験すること・作ったことのない機能・プログラミングスクールでは習わなかったことだらけで、試行錯誤の連続。

休日丸一日を費やしてもエラーが解決できなかった。作った後に、その機能はいらなかった。なんてことを何度も経験しました。

ようやく一昨日、リリースができて、TwitterなどのSNSでアピールしたら何人かの方々が使ってくれたのです。

今日もまた数名ユーザーが増えていました。

データベースで自分以外の誰かが使っていることをこの目で見たとき、今までに経験したことのないいろんな感情が一度に湧き上がってきて目頭があつくなった。

「作ってよかった。」

「使ってくれてありがとう。」

「もっと楽しいアプリにしたい。」

「もっと使ってもらいたい。」

このとき同時に、

「あ。自分、いまこの社会と直接つながっているんだ」

という感覚。

「この感覚をずっと求めていたんだ。顔も名前も知らない、だれかの役に立てたんだ。」

という喜びで心が満たされたんです。

この感情の高ぶりもこの先ずっと忘れることはないだろうし、これから先、命尽きるまで追い求め続けるんです。きっと。


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会社を辞めた翌日の朝に。感じた「生きているという実感」の話でした。

最後までご覧いただきありがとうございました。

つづく


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