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読みがえり

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読んだ本のレビュー(書評)をまとめています。雑多な書棚ですが、興味があればどうぞ!※注意🚨紹介している本を一度読んでから開くのをオススメします。限りなくネタバレに近いので笑笑
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#新型コロナウイルス

書評:『疫病と世界史』(下)W.H.マクニール

書評:『疫病と世界史』(下)W.H.マクニール

①紹介

カナダの歴史学者ウィリアム・H・マクニールによる『疫病と世界史』(下巻、佐々木昭夫訳、中公文庫、2007年)を紹介します。前回読んだ上巻の続きですね。紀元1200年以降を生きた人類の長きにわたる疫病との戦いと共存、克服の歴史をご覧あれ。


②考察 

● 「ユダヤ人は、ペストの毒を故意にばらまいた下手人と見なされて、迫害されるのが常だったのである」
➢ 14世紀のヨーロッパにおける史

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書評:『疫病と世界史』(上)W.H.マクニール

書評:『疫病と世界史』(上)W.H.マクニール

①紹介

カナダの歴史学者ウィリアム・H・マクニールによる『疫病と世界史』(上巻、佐々木昭夫訳、中公文庫、2007年)を紹介します。コロナ禍の時に話題になりましたね。なぜ疫病は発生し、人類に何をもたらしてきたのか。紀元前500年から後1200年の世界を舞台に、その謎を探る壮大な試みです。


②考察

● 「アフリカでヒトに寄生する生物が非常に多様性に富んでいるという事実は、アフリカが人類の主な

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書評:『ペスト』A.カミュ

書評:『ペスト』A.カミュ

①紹介

アルジェリアの作家アルベール・カミュによる『ペスト』(宮崎嶺雄訳、新潮文庫、2004年)を紹介します。コロナ禍の時には爆売れしましたよね!大量の鼠が死に、疫病の蔓延により世界から孤立した街で翻弄される人々の群像劇は、コロナ禍を経験した私たちにとって、もはや他人事とは言えないでしょう。


②考察

● 「肝要なことは自分の職務をよく果すことだ」
➢ 主人公リウーは当初、ペストを前にして

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