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まちづくり・村おこしの教科書

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記事一覧

【まち村】ネーミングの力を知れ!

岐阜県高山市のある旅館では、玄関に『かかさま料理』という看板が掛かっている。 「かかさま」とは、おかあさんのこと。つまりは、地元の主婦たちが作る、伝統の家庭料理を出している旅館なのである。 もし、ガイド本に「地元の主婦たちが作る家庭料理」とだけ書かれていれば、誰も魅力を感じないし、高いお金を払ってまで、泊まりたいとも思わない。 だが、『かかさま料理』というネーミングをすることで、どこか次元の違う料理に思えるのである。 これにより、田舎の良さ、伝統に興味をもってもらえて

【まち村】金をもらって、働いてもらう。

・間伐や下草刈りを手伝う「林業体験ツアー」 ・田植えから稲刈りを手伝う「米づくり体験」 ・ログハウス建築を勉強する「ログビルダー教室」 エコライフ、スローライフを体験するツアーが人気である。もちろん、参加者が金を払って、体験させてもらうのである。 よく考えると、逆にアルバイトとして、金を払っても良い“仕事”である。 里山の整備には、間伐や下草刈りが必要だが、人手不足で困っている。 田んぼは、放っておくと雑草だらけになって、使えなくなるので、米づくりは、大切な土地の保全

【まち村】チェーン店を誘致しろ!

コンビニはもちろん、スーパーもない。飲食店もない。 地方に行くほど、不便な生活を強いられます。 それに慣れている高齢者は、 いまさら別の町に移ろうとは考えません。 しかし、若い世代は便利さを追い求め、 大きな街へと移り住んでしまいます。 こうして起きる過疎化を食い止めるには、 “便利さ”を持ち込む必要があります。 特に「衣」と「食」の中で、 欲しいモノが簡単に手に入る状況を 作り出さなければなりません。 そのためには、チェーン店を誘致することが、 ひとつの方法とな

【まち村】町ぐるみで芸能人をサポートする。

セクシー女優・杉本彩は、居住する地元にダンス教室を開き、地元でイベントがあるたびにダンスを披露し、多くの人を集め、地域に貢献している。 チータこと水前寺清子は、チータのスケジュールによって、地元のお祭りの日程が決まるほど、地域に溶け込んでいる。 地域の人びともまた、その芸能人をみんなで応援している。 こうしたことは、テレビでも取り上げられやすく、話題になり、観光地的なスポットになる。 もし地元が、有名人の出身地、映画やドラマのロケ地などではない場合には、芸能人に居住す

【まち村】「何だ、それ?」で注目を集める。

北海道・芦別には、「ガタタン」という名の料理があり、町おこしにもひと役買っている。 元は「ガーダタン」という中国の料理で、戦後、芦別に移住した引揚者である中華料理店のオーナーによってアレンジされた料理である。 団子、竹の子、椎茸、豚肉、こんにゃく、ちくわ、卵など、10種類以上の具を入れ、とろみをつけた塩味の中華スープである。 なぜ、この料理に人気が出たのだろうか。 “美味しいから”定着したのは当然としても、最初はわけのわからない料理だと思われたはず。だが、「ガタタン」

【まち村】買い物難民が本当に求めているのは、「ネットスーパー」ではない。

日本全国の過疎地や高度成長期のニュータウンでは、徐々に買い物する場所がなくなり、買い物難民が増加している。 社会問題となっていることから、ネットスーパーや移動販売の復活など、さまざまな取り組みが行われている。これにより、まだまだ充分ではないが、少しずつ不便さは解消の方向に進んではいる。 だが私は、これらの取り組みは、本当の意味での問題解決にはならないと捉えている。確かに、不便さは解消されるだろうが、それだけが買い物難民の抱える問題ではない。 買い物難民には、場所柄、高齢

【まち村】高知県から“かつお”が消える日。

高知県と言えば、まず思い浮かぶのが“かつおのたたき”。それ以外には……浮かばない。それほど“かつおのたたき”の印象が強いのか、それとも他には何もないのか。 よくよく考えてみると、四万十川や坂本龍馬、はりまや橋程度は浮かんでくる。だが、清流として有名な四万十川もどんなところなのかはあまり知らない。映像を見ることも少ない。PR不足なのか。 坂本龍馬像の建つ桂浜には行ったことがあるが、非常に小さな浜で、観光地と言うには力不足である。 はりまや橋は、「日本三大がっかり名所」のひ

【まち村】コンビニは地域の救世主となるか?

スーパーマーケットの業績は頭打ちだが、コンビニエンスストアはまだまだ伸び続けている。大型スーパーの近くであっても、地方都市であっても、コンビニは次々に出店する。 なぜ、これほどまでにコンビニは増えていくのか。お客さまを取り合って、潰れはしないのか。 その秘密は、コンビニの商圏にある。半径500m。1店舗につき、こんな小さな商圏で商売が成り立つ。もちろん、周辺人口によっても変わってくるが、概ねこの程度の商圏で、利益を上げることができる。 つまり、地域密着型商店の見本のよう

【まち村】ローカルブランドを創る。

レトロなビンやラベルが、お洒落、可愛いと、「地サイダー」が人気となっている。 青森の「朝日サイダー」、兵庫の「ありまサイダー」、愛知の「日の丸サイダー」など、国内に60弱のメーカーがある。 地元だけで飲まれていたサイダーだが、いつの間にか注目されるようになり、全国へ出荷するメーカーも出てきた。 レトロブームやB級グルメが、影響しているようである。 大手メーカーが次々に送り出すモノに飽きてきた消費者が、小さいながらも、堅実に操業している地方のメーカーに、眼を向けるように

【まち村】移住者に事業を譲渡する。

若年層の移住にとって、もっとも大きな問題は仕事である。夢を実現させようとしても、稼ぐ手立てがなければ、まさに夢物語になってしまう。 行政も移住を促進するなら、できる限りお手伝いすべきである。そのためには、仕事を紹介する制度を確立する必要がある。 就職先を探すのはもちろん、起業する人の支援も考えてはどうだろう。 そのひとつとして、「事業継承希望者バンク」を提案する。 田舎は元々就職先が少なく、昔から、自分で仕事を始める人が多いことから、個人商店や小さな工場が結構存在する

【まち村】シンボル的存在を創る。

フランス・リヨンに、有名シェフの名を冠した市場がある。 『ポールボキューズ市場』。 50年以上連続でミシュラン3つ星を獲得しているレストラン「ポールボキューズ」の創業者への敬意を表して、名づけられた。 市場内の店もその名に恥じない、一流の食材を扱っている。こだわり抜いた食材とそのお洒落さを求めて、世界中から観光客が押し寄せるほどの人気ぶり。 そして、良い食材があれば、良い店も集まって来る。その結果、“美食の街”として、名を知らしめることとなったのである。 これは、優

【まち村】「運転免許返納モデル地区」となれ!

移住者の多くは中高年。終の住処と決めて、田舎を選んでいる。だが、ここに来て、大きな問題が発生。高齢ドライバーによる事故の増加で、免許返納が促されている。 田舎暮らしに、車は欠かせない。生きるために必要な“移動”のほとんどを車に頼っている。買い物、病院、役所や金融機関……。 なのに、免許を返納しろと言われても、困ってしまう。バスはあっても、便数はわずか。タクシーは、日常的に使える金額ではない。巡回バスを走らせている地域もあるが、ごく一部。いま、移住を奨められても中高年は躊躇

【まち村】“強い農家を作るために、「農協」を廃止せよ!

一般の農家は、「貿易の自由化」に反対する。法人化したり、独自の販売ルートを開拓している農家は、「自由化」など恐れはしない。この違いは何か? まずは、『商品力』。 どこにも負けないという自信を持っている農家は、海外から入って来る野菜など、敵ではない。逆に輸出することで、もっと販路を開拓できると期待している。 自信のない農家は、安い海外産に押されて、売れなくなるのではないかと不安を持つ。すなわち、商品力の低さを認めてしまっているのである。 次に、『営業力』。 強い農家は

【まち村】至れり尽くせりの“手ぶら体験”に、ビジネスチャンスあり!!

最近のアウトドアは、フラッと手ぶらで出掛けて、手軽に体験できるらしい。BBQやキャンプ、登山、ジョギングなどが、何の用意もせずに楽しめるようだ。 BBQやキャンプをしたいと思えば、必要な道具や食料をすべて準備してくれるサービスがある。足を運べば、「さぁ、どうぞ!」と、すべてがセッティングされているのである。後片づけまでやってくれる。 登山をしてみたいと望めば、必要なウェアや道具をすべてレンタルできるサービスもある。 健康のためにジョギングを始めたい。仕事帰りに走りたいと