【まち村】高知県から“かつお”が消える日。
高知県と言えば、まず思い浮かぶのが“かつおのたたき”。それ以外には……浮かばない。それほど“かつおのたたき”の印象が強いのか、それとも他には何もないのか。
よくよく考えてみると、四万十川や坂本龍馬、はりまや橋程度は浮かんでくる。だが、清流として有名な四万十川もどんなところなのかはあまり知らない。映像を見ることも少ない。PR不足なのか。
坂本龍馬像の建つ桂浜には行ったことがあるが、非常に小さな浜で、観光地と言うには力不足である。
はりまや橋は、「日本三大がっかり名所」のひとつと言われ、ハッキリ言うと“しょぼい”。
そう言えば、300年以上続いている「朝市」もあるが、日曜日しかやっていない。観光客も来ているが、圧倒的に地元の人が多い。
やはり、高知県は“かつおのたたき”しかないところなのである。高知県人には怒られるかもしればいが、唯一の観光資源なのではないか。
「他にももっと良い所はあるよ」と高知県人は言うだろうが、他所の人に知られていなければ、無いに等しい。
その大切な“かつお”が獲れなくなっている。最盛期の10分の1程度になっているという話もある。なぜ、こんなことになってしまったのか。
考えられる理由としては、「海水温の変動」と「他国によるフィリピン沖での乱獲」である。自然現象に文句を言っても仕方がないが、他国の乱獲は腹立たしいことだろう。
“かつお”は、フィリピン沖から黒潮にのって、日本近海へとやって来る。その源流とも言える場所で、大量に獲られてしまうのである。
だが、文句の言える筋合いではない。海は誰のものでもない。他国が新しい産業として“かつお”を獲り始めたことを中止させるわけにはいかない。産業として成り立っているのなら、今後もかつお漁をやめることはない。
また、海水温の変動も現在の地球環境を考えれば、元に戻るとは考えづらい。すなわち、これまで高知沖まで来ていた“かつお”の群れが、その姿を消してしまうことは、容易に想像できる。
「自然のことだから、どうなるかはわからない」と思いたいだろうが、その期待を持ち続けるのは危険である。
早く別の手を打たなければ、取り返しのつかないことになる。いま、考えなければならない。
“かつお”に代わる海産物。“かつおのたたき”に代わる観光資源を。
高知県は、人口の減少でもワースト上位をウロウロしている。観光ばかりではなく、地元の人が住み続けたくなる魅力づくりをも考えなければならない時である。
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