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北海道。宮城。東京。愛知。大阪。福岡。各地、1日ずつのライブが始まった。これを音楽の世…
「よく変われば、いいこと。自分がいいと思えば、いいこと」 カラッとしたミウの言葉は、私…
ビギナーズラック・・・初心者が往々にして得る幸運。 人生というゲームの上でも、ビギナ…
休憩に入った。スタジオの扉が開き、外の空気が流れ込む。生ぬるい風が頬を撫でたが、それで…
ドラムを叩く。 それから曲を作る。歌詞を書いて、メロディを入力する。鼻歌で作って、キ…
全国ツアーに向けて本格的なリハーサルが始まった。 最低10曲、主要都市では15〜20曲を披…
家に帰ると、すぐにドラムセットの前に座った。ラバーに覆われたハイハットをポンと叩く。音はしない。そりゃそうだ。電源も入れてないし、ヘッドホンもしてないんだから。スネアを叩いても、ペダルを踏み込んでも、シンバルを強めに叩いても、ゴムが跳ね返す鈍い音がするだけ。虚しい。 アキちゃんとリオンくんの顔が頭に浮かぶ。コマ撮りアニメみたいにカタカタ動きながらナニカを話してる。二人とも幸せそうに、いくつもの困難を乗り越えたような顔をしている。音楽を奏でる理由を尋ねたら、きっと二人とも
「アキちゃんって、リオンくんのこと好きなの?」と聞くと、アキちゃんは緊張したように耳を…
アキちゃんはリオンくんに恋してる。 それが分かったのは、彼が発表会のお礼にとセッティ…
アキちゃんとリオンくんは、ずっとスポットライトの中にいた。実際に光が当たっていたわけで…
リオンの拍手をスタジオの壁が吸収した。 それでも彼は拍手を続けた。 大人がするみたい…
練習で何度も聴いてるはずなのに、自分が作った曲のはずなのに、リオンくんがキーボードを鳴…
ミウのピアノ指導を理由に、森口リオンをスタジオに召喚した。 召喚という言葉がぴったり…
新曲の初リハーサル。 スタジオには、キーボードが置かれている。 今までのバンドになかった新たな試み。 和気藹々と喋る空気の中に、小骨が喉に刺さっているような緊張感があった。 ミウがキーボードの前に座り、アキちゃんは太い弦が4本しかないベースを構えている。それぞれの立ち位置は変わっていないのに、居心地が悪い。 「じゃあ、合わせる感じで!」 ドラムスティックでカウントを取ると、アキちゃんの歌が始まる。追いかけるようにピアノの和音がリズムを刻むように跳ねる。その後、