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セミの声。あんな小さな身体なのに、夏の景色のBGMになるほど大きな音を出せるなんて、凄い…
【マキコ】 高校2年に上がるタイミングで“広瀬マキコ”という自分のイメージを変えること…
【マキコ】 誰にも負けたくない。 その想いだけが日毎に増していく・・・。 あたしは高…
【ミウ】 勉強と恋愛とバンドの全てを成立させたかった。 どうしたって優先順位は生まれ…
海。山。花火。お祭り。スイカ。お化け屋敷。 通り過ぎる景色を眺めながら、夏の連想をす…
【ミウ】 「ごめんね、わざわざ、ありがとう」 ヒロナは思ったよりも元気そうだった…
【ミウ】 ヒロナが学校を休んだ。体調を崩したらしい。体調不良で学校を休むなんて、小学校以来かもしれない。 「お見舞いに行かない?」とマキコを誘ったが、断られてしまった。メールをしたら「来ないでいい」と返信が来たからだそうだ。 「まさかヒロナがダウンするとはね・・・」 来ないでいいと言われても、家が近い私はお見舞いに行く。アキは何も言わずについてきた。すっかり衣替えも終わり、電車内は冷房がかかっている。 「つ、つ、疲れが出ちゃったんだろうね」 「まあ、最近
【ミウ】 「ミウ、どうにかならないかな・・・?」 ヒロナが珍しく俯いていた。髪の毛で…
【ヒロナ】 レコーディングの日を境に、バンド内の空気が変わってしまった。 アキちゃん…
【マキコ】 アキさんに猛烈に嫉妬した。 彼女だけが、レコーディング時間が短い。彼女だ…
「ねえ、アキってなんで、いつも最後のレコーディングなの?」 最初は、ミウの質問の意図…
【ミウ】 レコーディングが始まった。 スタジオに入り、演奏をし、録音する。作業として…
音楽祭は大成功だった。 バンドとダンス部のコラボ。合唱や、ブラスバンド、和太鼓などの…
始まる前の客席の空気が好き。 観客一人一人が、まるで関係のない話をしているから。 ある者は、昨日見た映画の批評をしたり、ある者は、本を読んだり。はたまた何もしないで、ただ演目を待つという人もいる。多様な個人活動が積み重なると、“ザワザワ”という音になるのが面白い。 「ああ、初心取り戻したいなあ」 またヒロナが変なことを言い出した。ライブの直前だというのに。このモードに入ったということは、みんなに何かを伝えようとしている合図だ。彼女と10年以上一緒にいるから分か