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二世帯住宅 プロジェクトのお話し#5

二世帯住宅の計画は大変だ。
お風呂やトイレは2セットずつ必要になるし、同じ家なのに、世帯によって好みが変わるからデザインのコントールも大変。
さらに、親と子の世帯で家に対する感覚も違うから、どっちかが気に入っててもどっちかが拒否感を示したりするからだ。

そんな感覚がクライアント側にもあるのだろうか。
最近は1つの敷地に二つ家を建てるとか、別々の家にしたい、みたいな要望をよくいただく。だけどこれがまた大変。ただでさえ2セットずつ必要なのに家も2つって!費用も倍になるのに、大体予算は少ないケースが多い。

今回の要望も例にもれず、同じ敷地に親と住むのだけれど、親の世帯と会わないように住める二世帯住宅にしてほしいという要望だった。

そこで2世帯住宅を1世帯住宅のようにつくる案を考えた。

といっても、これも方法が2つあり、
1、1つの住宅を2つに分割して2世帯にする(これも後々出てきますw)
2、家を世帯より細かい単位に分割して世帯の姿をカモフラージュする
今回の提案はこの2のパターンである。

さて、どういうことか。

二世帯住宅の時にいつも思うのだが、親の世代は、何事もなければこの世代より先に家を去る。子の世代に子供が生まれたとしても、家にいるのはせいぜい10年だ。家族の形は時とともに変わるのに、家をつくる時にはその最大数で家のサイズを考えるけど、予算は限られているから実際は考え通りにはいかない。

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だから今回は大きな屋根の下に部屋ごとに分割して配置し、一見すると何世帯が住んでいるのかわからないようにしてみた。1世帯でも住めるし、5世帯くらいまで増えても大丈夫なはずだ。最低限LDKと1部屋だけはつながっているけれど、各部屋間には大きな屋根の下の庭にいったん出ないと行き来できない。各部屋は庭に面して窓を設けているが、全部の窓が少しづつずれているので、見合いも起きない。だから親と子が一緒に住んでいる感覚も薄れるはずだ。さらに親の世帯が家を去ったら、空いた部分も子の世帯の家として使えるし、賃貸として貸すこともできるのだ。

予算は限られるし、家族の形は時とともに変わる。
だから限られた広さで、家のサイズをその時々で変えられるような
そんな家を考えています。

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