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大階段のある家 プロジェクトのお話し#8

遠い長崎からのご依頼です。
海の見える土地の一角に家を建てたい。
要望は海と空が見える家、でした。

1階、2階とも海に向けて大きな開口部をつくれば要望は叶う。
話はものすごく簡単だけど、それじゃあ頼まれた意味がない。
2方向が道路に面した土地でのどかな場所とはいえ、あけっぴろげにするのになんだか抵抗がありました。そこで、プライバシーは確保しつつ、家のどこにいても海と空が見える家をと考えることにしたのです。

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具体的には建物を大きく斜めに傾けて、建物全体を階段のようにします。海が近く、建物に対する潮のダメージも想定できるため、RC造の強固な箱のイメージで外観設計しています。内部は階段の一番下はダイニングになっていますが、それ以外は部屋らしい部屋はない。寝室や収納などは階段の下に隠れていて、コンパクトな空間になっています。クライアントはこの階段状の空間にいろんな居場所を見つけて、そこでいろんな高さから毎日海を見て過ごせる、そんな家を考えたのです。また階段の一番上はハイサイドライトで空が見え、いつも明るい空間になります。

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住宅を設計する時に一番大切にしているのは、自分が住みたい家かどうか。住宅はアートではありません。住宅設計は、設計者のエゴを発揮する場ではなく、クライアントが設計者の力を借りて新しい住空間を作り出す行為だと思っています。使い勝手やデザイン、空間性などその評価は多岐にわたりますが、設計する前にクライアントからイメージをお伺いしたり、今の住まいぶりを拝見したりして、なにかクライアントの生活を押し広げるあたらしいものをご提案するように心がけています。そしてそれが「住みたい」と共感してもらえる新しいものになっているかどうか、にいつも苦心するのです。

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