土地を買うときに見ることは
これまでありがたいことに何件かの住宅の設計をさせていただいた。
そのほとんどは土地を購入もしくはお持ちの状態で設計してくださいとご依頼いただくのだが、依頼されて敷地を調べると
え、なんでこんな敷地買ったん!!?
ということが少なくない。
難しい敷地の方が、それを克服しようというパワーで、ものすごくいい家になることもある。でも、それには時間やお金や設計者のパワーが必要だ。
かくいう僕も自分で土地を買うってなったら極力リスクの低い土地を選ぶ。そして、設計をしているが故にそういう嗅覚が優れている。
だから今日は土地を買うときにチェックすることを書いてみようと思う。
ただ、恋愛と一緒で、条件にバッチに見合う土地(相手)に巡り合えることはほとんどない。だから買うときは勢いやフィーリングも必要だ。あくまで目安程度に覚えておいてほしいと思う。
1、道路の幅をチェックすべし。
土地を選ぶ基準は人それぞれ。駅から近いことが大事な人、コンビニやスーパーが近くにあることが大事な人、公園や川が近くにある土地がいい人等々。それは各々の価値観で探すべきだと思うのだが、大前提としてチェックしないといけないことがある。それが道路幅である。
日本の法律では、家を建てる敷地に接する道路は4m以上ないといけないと決まっている。でもたまに目の前の道路が2mくらいしかない!とかっていう土地、ありますね。これは昔の名残でそうなってしまっている土地で、もしその土地を買って建て替える場合は道路幅が4mになるように敷地を削らないといけなくなる。つまり敷地が狭くなるのです。
ここからが注意ポイントで、道路幅が2mの場合4mにするには2m不足しているわけだが、この2mをお向かいさんと折半する場合もあれば、自分の土地だけで2m敷地を削らないといけないケースもある。
他にも道路が狭いと大きな工事車両が入れないので、工事金額が高くなるケースもある。道路幅が4mない敷地は要注意です。
2、地盤を察するべし
これです。みなさんがよくひっかかるやつ。
建物を建てるときには基礎というものを作ります。建物が傾いたり沈んだりしないようにするものですね。地盤の状態が良い敷地は基礎の工事にあまりお金をかけなくて済むケースが多いのですが、地盤が悪い敷地の場合、基礎だけでなく、建物が沈んだり傾いたりしないように杭という鉛筆のお化けみたいのを地面に刺さないといけない。これがかなり高額で、200~300万と平気でかかる。だからなるべく良い地盤を選んだほうが良いのです。
でもぱっと見で地面の下が良い地盤かどうかなんてわかんないですよね?
実は何となくあたりをつける方法があるのです。
それは地形と地名です。
水の近くは地盤が悪いです。加えて地下水位も高いので、結構厄介です。
地名にも要注意!水の気配がする地名は怪しいです。例えば渋谷。「さんずい」に「谷」。嫌な予感しますね。世田谷。これも「谷」などなど。昔水場が近かった場所はその名残が地名として残っているケースがあるのです。
東京で言うと、昔東の方は海だったこともあり、東側は比較的地盤が良くないところが多いのです。
3、傾斜地に手を出すときは覚悟すべし
たまにいるんですよ。傾斜地に手を出しちゃう人。
傾斜地は眺めがいいことが多いし、すごく良い建物になることが多いし、何より土地が安いんです。でもね、ほんとに覚悟してください。
傾斜地はまず工事が大変です。ぺったんこの地面がないから。なので工事金額がまず高くなることが多い。それともう一つ、崖条例というものがある。がけが崩れた時に周りに対する影響をなるべく抑えるためにつくられたものなのですが、これが曲者。傾斜地に建築する際にいろいろと制限が設けられていて、これの対応で意外とお金がかかるのです。
他にも建蔽率や容積率や防火地域のチェックなど実は確認する内容はほかにもたくさんあります。マンションなんかを建てる場合には旗竿敷地だと建築を制限されるケースもあったりとか。。。なので土地を買う段階から建築家と一緒に話を進めるのが良いのです。だってぼくらは見ただけで、どのくらいの規模の家が建築できるかわかるのだから。
なので土地探しからでもお気軽にご連絡くださいませ。
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