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水廻りの床 素材選びの時に 2

トイレや洗面室やお風呂の床材、家づくりの時よく悩むところです。
見た目やデザインは大事。でも水を相手にするから性能も大事。さらに日々の掃除のしやすさもある。じゃあ何に重きを置いて選ぶべきなのか。建築家の目線からお話ししようと思います。

トイレや洗面は水とは切っても切れない部屋です。特に床は飛沫が飛ぶし、もしかしたら水やそれ以外のものをこぼしたりするかもしれない。せっかくだからいつもきれいにしたいし、毎日の掃除も手間がかからないほうがいい、というのがほとんどの人の思うところのはず。

床材にはリビングなどでよく選ばれるフローリングの他にもたくさんの種類がある。その中でトイレや洗面によく使うのは、石、タイル、Pタイル、シート、そしてフローリングだ。もちろんそれぞれ一長一短があるので、一言でこれが正解!というものはないが、よくよく材料の性格を理解することで一番適したものを選ぶ物差しになると思う。

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そこら中に転がっているので言うまでもないけど、水に強い。さらに独特の質感や自然の色合いも手伝って雰囲気のある仕上がりになります。ただ、ものすごく高価。そして重い。おいそれとは使えない材料です。

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タイル
石と同じような質感のものもあり、こちらも水に強い。グレードもさまざまなので比較的採用しやすいです。ただタイルや上記の石材には材料と材料の間を目地材で埋めるのですがここが汚れやすいのです。なので汚れにくい仕様のもの、汚れが目立たないような色を選ぶことが大事です。タイルは裸足だと冷たいというのをよく聞きますがあれは床についた水滴が冷たいのでタイル自体が冷たいわけではないのですが、フローリングと比較するとひんやりはします。あとは重いものを落としたりするとひびが入ったり割れたりすることも。。。

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Pタイル・フロアタイル
タイルによく似た塩ビ素材の材料です。材料の値段が安く、病院や学校などいろいろなところで使われていて、不特定多数の施設でも使用されるほど耐久性があります。最近のものはよくできているので、見た目も本物と遜色ありません。ただ、質感や経年変化の味わいなどを本物と比べると安っぽさは否めません

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長尺シート
巻物のように長いプラスチックシートの床材で、こちらも病院の床などによく使われ、土足で歩くことを想定している材料のため、耐久性、耐摩耗性に優れています。あまりおしゃれではないのですが、最大のメリットは清掃性です。大きな1枚のシートなので継ぎ目が少なく、汚れがたまりにくいのです。

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コンクリート土間
他にもコンクリートの土間仕上げなんてのもあります。文字通りコンクリートを薄く塗って土間のように仕上げます。外で使う材料ですから当然耐久性はありますし、最近人気の仕上げですね。ただご存じない方も多いのですがコンクリートはその性質上必ずクラック・ヒビが入ります。ほとんどの場合性能的に問題ないのですが、皆さんひびが入ったから直せとおっしゃられる。どうしても気になる方はやめたほうが良い仕上げですね。

と、このように一口に水廻りの仕上げといってもたくさんの種類があり、何を優先して選ぶかがとても大事だとわかっていただけたのではと思います。同じ水廻りでも、お風呂はまた厄介で、ここで紹介した材料の中にも、採用できるものあればNGのものもあるのです。(また別の機会にお話しします。)

毎回やることですが、設計する建物では事前にメーカーから取り寄せたサンプルでシャワー室にもっていって、シャンプーや石鹸でタイルを濡らして滑らないか実験して決定するようにしています。それでも平滑度がサンプルと現物で違うこともあるので、サンプルをそのまま現場に渡して、チェックするほど徹底しています。それくらい水廻りはデリケートだし、大事だと思っています。長く住む家となると、いつまでもおしゃれできれいでありたいものです。そのためにしっかりと納得のいく材料選びをしましょう。


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