庭に囲まれる家 プロジェクトのお話し#7
知人夫婦から相談をもらいました。
リモートワークで出社も不要になったので地方に家を建てたいと。これを機に子育ても自然の沢山ある土地でのんびり。理想は「中庭のある家」と「家族同士のプライバシーも確保できる家」でした。
中庭と言えば家でぐるっと庭を囲む家を想像しますよね。
だけど要望を聞いていて、違和感を覚えました。中庭を介してすべての部屋空間がつながってしまうのは違うんじゃないかと。
「中庭が欲しい」というクライアントの真の意味を考える必要があると思ったのです。そしてリモートで仕事をする部屋、家族でだんらんの部屋、子供部屋などある程度こもれる部屋も同時に必要なら、この「庭」を中庭のように部屋同士をつなぐと同時に、間仕切りのように仕切る庭にもしようと考えたのです。
このようにすべての部屋の間には扉はなく、ずるずるとつながっています。だけど部屋はすべてクランクしていて、部屋の奥に行くと他の部屋からは見えなくなりこもれる空間になります。
全ての部屋と部屋の間にはいろんな性格の庭を計画していて、
間仕切りのようにもなり、庭への扉をあけ放てば、庭も含めて大きなワンルームのようになります。
住宅に限らず、建物を計画するときに気を付けていることがあります。
それは要望の裏にある本当の想いを読み取ることです。
多くの場合クライアントは家(建物)づくりは初心者です。
当然要望は○○LDKとか、何㎡とか、中庭が欲しい。。。とか。
世の中がそういう基準を設けることで建物をつくりやすいルールをつくってしまったから、それに倣って要望を伝えなければならないと思われていますが、そのルールから外れた、言葉にできない思いが必ずあります。
それを丁寧に読み解くことで、「中庭」の意味を読み替えて、提案をしたのです。クライアントには喜んでいただいて、計画が進んでいます。
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