【社会科】裁判員制度の意義とは?量刑判断から考える
どうも。いかたこです。
中学校で社会科の教員をしています。
noteでは、授業がより楽しくなるアイデア(授業のタネ)を発信しています。
今回は、裁判員制度についての授業のタネです。
裁判員制度は、国民が裁判員として裁判に参加する制度です。
皆さんはどのようなイメージを持たれているでしょうか?
・裁判員になると言われても実感が湧かない
・法律について詳しくないしできる気がしない
・専門家でもない自分が人を裁いてもいいのか
裁判員経験者へのアンケートを見ても、裁判員に選ばれる前は、多くの人がこのような思いを持っていたようです。
正直、私も自信がありません・・・(^0^;)
でもそれでいいんだと思います。
なぜなら、裁判員制度の目的は、「裁判内容に国民の健全な社会常識を反映する」ことにあるからです。
えっ、裁判って国民の常識が反映されてないの?って感じですね。
今回の授業のタネでは、実際に事例をもとに、生徒に量刑を判断してもらいます。
自分たちが適切だと思った刑罰と、実際の裁判で出された刑罰を比較することで、自分たちの常識と裁判の判決のズレに気づかせ、司法に国民の意見を反映させることの重要性を考えさせることが目標です。
以下では、詳しい内容を紹介しています。
よろしければ、最後までご覧ください。
裁判員制度の意義
裁判員制度の意義を確認しましょう。
裁判員制度には、国民の意見や常識を裁判に取り入れるという目的があります。
これによって、裁判がより公正に行われることや、国民の裁判への信頼が深まることなどが期待されます。
実際、裁判員裁判では国民の意見や常識が反映されることで、量刑傾向も変化しているようです。
法律の専門家ではないからこそ、裁判員として裁判に参加し、自分たちの意見や常識を裁判に反映させることが大切です。
このことを生徒に気づかせるために、模擬裁判のような授業のタネをつくってみました。
量刑の判断
実際に有罪判決が出た事例を紹介し、生徒それぞれが自分たちの感覚に基づいて量刑の判断を行います。
まず、有罪判決が出た事例を説明します。
私が授業で扱った事例の概要は以下の通りです。
裁判員裁判の対象にもなる通貨偽造の事件です。
事件の概要をもとに、簡略化して説明しました。細かな内容については、生徒に質問された時に答えられるようにしておきました。
次に、各グループで、この事例では懲役何年が適切だと思うか考えてもらいました。
懲役5~10年が適切だとするグループが多かった印象です。
もちろん、懲役1年や20年など様々な意見がありました。
その後、通貨偽造の刑罰は、無期または3年以上の懲役であると法律で決められていること、この事例では懲役3年・執行猶予5年が言い渡されたことを説明します。
最後に裁判員制度の意義を確認します。
裁判員制度の目的は、国民の常識を裁判に反映させることです。法律の専門家ではない私たちは、裁判官と同じ量刑を判断することは難しいと思います。でも、だからこそ、国民の視点から、裁判に参加し、意見を伝える必要があるということを伝えます。
まとめ
以上が裁判員制度についての授業のタネです。
裁判の量刑判断に焦点を当てて、裁判員制度の意義について考えさせることを目標としています。
生徒たちは、裁判員制度の目的通り、自分たちの経験・知識を頼りに話し合って、量刑を判断してくれました。
これを機に、司法と自分たちとの関わり方を改めて考えてみてほしいと思います。
また、生徒たちも数年すれば、裁判員に選ばれる可能性があります。この授業のタネがその時に少しでも役に立ってくれればと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
今後も授業のタネを発信していきます。お楽しみに。
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