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デザイン事例紹介 - 和日小日(WABISABI)

和日小日(WABISABI)は、浅草・本所吾妻橋に半世紀前からある建物をリノベーションした「Tsushima House」と、隣地に新築した「Bettei」の二棟で構成された、主に外国人観光客をターゲットとしたゲストハウスです。

海外からのお客様には日本らしい洗練された「和」のイメージを、近隣の方々にはモダンな雰囲気の中にも日頃忘れかけていたちょっと昔の東京や日本の風情を感じてもらえるようなテイストを、ロゴやファサードを始めとするBI(ブランド・アイデンティティ)に反映させました。

ロゴデザイン

伝統的な文様「青海波」をシンボルに

シンボルマークを構成する同心円を扇状に重ねたモチーフは「青海波(せいがいは)」と呼ばれるもので、幾何学的かつモダンな印象を持つ文様です。日本では古くから舞楽などの装束や小袖、陶器や蒔絵など幅広く用いられてきました。

この文様の起源は古くササン朝ペルシャにまで遡ると言われ、日本には飛鳥時代にシルクロードを経て伝わってきたとされています。そんな歴史もあってか、日本的な印象の中にもグローバルな雰囲気を持ち合わせたシンボルマークに仕上がっています。

伝統的な文様「青海波」をモチーフにしたロゴデザイン

ロゴタイプには少し懐古的な風味を

和文ロゴタイプは隷書体をベースに調整してシンプルに組んだものです。この印象に合わせて、欧文ロゴタイプはやや個性がありながらもやはり少しノスタルジックな印象を持つ書体をベースに採用して調整を重ねました。

ブランド・アイデンティティ

ブランドのキー・カラーとして採用した藍色は日本の伝統的な色あいの中から青海波のモチーフにもマッチし、洗練された印象を持つ色として選ばれました。この藍色を中心としたカラースキームはロゴや印刷物だけでなくファサードや建築・内装にも反映され、「和日小日」ブランド全体のアイデンティティ確立にひと役買っています。

和日小日 Betteiのファサードに配されたロゴ

ファサード

50年前の建物をリノベーションしたTsushima Houseは、紺地にロゴを染め抜いた日除け暖簾や手張りの提灯をファサードにあしらい、浅草エリアらしい日本情緒を感じさせます。

一方、その2年後に隣地に新しく建てられたBettei(別邸)は現代的な佇まいで、Tsushima Houseとは好対照なコントラストが印象的です。

向かって右手がTsushima House、左手がBettei

和日小日はコロナ禍を経て惜しまれつつ閉館しており、残念ながらこの両ファサードは現在では写真に残るのみとなっています。

カード

ファサードの日除け暖簾とデザインを統一するべく、藍色にロゴを白く染め抜いたTsushima Houseのカード。Betteiのカードは同一デザインながら、建物のコントラストを反映させるようにカラーを反転させて制作しました。裏面にはアクセスマップと各種連絡先・URLなどが英語で記載されています。

建物のコントラストを反映させたカードデザイン

Webサイト

外国人をメインターゲットとするため、Webサイトは英語版を基本として構成されています。所在地である本所吾妻橋を中心とした浅草〜押上(東京スカイツリー)エリアの観光情報を掲載するなど、海外からのツーリストに利便性の高い情報も提供していました。


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