『なぜ「救い」を求めるのか』島薗進、NHK出版、2023
「なぜ『救い』を求めるのか」というタイトルから、「人間はどうすれば救われるのか」ということを説く本かな、と当初想像していた。
実際、第1章においては、苦難の人生から死によって救われること、あるいは生きている間に魂の再生を経験すること、さらには新たな「精神的な高みやいのちの尊さの体得」(p.49)などが、物語や詩や歌などを通して得られる事例を紹介してある。
「救い」とは「苦難や悲しみに耐える力、深いなぐさめや希望、そしてより良き生への意欲を促すような語りかけ」「苦難や悲し