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ぼやき牧師のブックレビュー

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ぼやき牧師が読んだおすすめの本の感想をご紹介します。 更新は不定期。 本のお好きな方はどうぞいらっしゃいませ。
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記事一覧

『ガリラヤに生きたイエス いのちの尊厳と人権の回復』山口雅弘、ヨベル、2022

 まず著者はイエスの死に際して、「十字架」ではなく、「晒し柱(さらしばしら)」という言葉…

『マスキュリニティで読む21世紀アメリカ映画』國友万裕著、英宝社、2021

マスキュリニティ(男性性、男らしさ)がアメリカ映画の中でいかに描かれているのか。その変遷…

『八色ヨハネ先生』三宅威仁著、文芸社、2023

 同志社大学神学部教授(このレビューを書いている2024年2月現在)の三宅威仁さんによる小説…

『傷によって共に生きる』北口沙弥香著、沙弥香牧師と愉快な仲間たち、2023

 神奈川県にある日本基督教団愛川伝道所の牧師をしておられる北口沙弥香さんの、受按5周年記…

『ぼくはいかにしてキリスト教徒になったか』内村鑑三著、河野純治訳、光文社文庫、20…

 内村鑑三のキリスト教信仰の遍歴を、日記に基づいて語った自叙伝として著名な作品である『余…

『なぜ「救い」を求めるのか』島薗進、NHK出版、2023

 「なぜ『救い』を求めるのか」というタイトルから、「人間はどうすれば救われるのか」という…

『10代から始めるキリスト教教理』大島重徳、いのちのことば社、2022

 少なくとも著者である大島重徳氏が自らの夫婦生活に大いに満足し、幸福感を覚えておられることはわかった。  前半の、性と恋愛と結婚についての、実例を踏まえた言及は非常に興味深く、面白く、部分的には何度も読み返して味わいたくなる内容ではあった。  このようなわかりやすく身近な体験を引き合いに出しながら、キリスト教的メッセージを語ってゆく手法においては、この人の右に出る者はいないだろうというのも頷ける。  特に「寂しさを埋めるために恋愛や結婚を求める者は、本来の寂しさを埋めてもらえ

『顔面バカ一代 アザをもつジャーナリスト』石井政之、論創社、2023

『顔面バカ一代 アザをもつジャーナリスト』石井政之、論創社、2023  顔に大きな赤アザ(単…

『「地獄」のウソ キリスト教のアツアツなテーマを徹底検証!』ケン・フォーセット訳…

 おもしろい!  この本を、地獄というものを信じている人全てに読ませたい。  リベラル・ク…

『わたしが「カルト」に? ゆがんだ支配はすぐそばに』齋藤篤・竹迫之著、川島堅二監…

 いずれもキリスト教会の牧師であり、カルト問題の第一人者である2名の著者、1名の監修者によ…

『何を信じて生きるのか』片柳弘史著、PHP研究所、2022

 この著者のことはもともとあまり好感を抱いていなかった。一度お会いしたことがあるが、ある…

最相葉月『証し 日本のキリスト者』KADOKAWA、2023

 日本のキリスト者の信仰の告白を135人分、著者がインタビューを再構成して綴った本。最終的…

島薗進・釈徹宗・若松英輔・櫻井義秀・川島堅二・小原克博『徹底討論! 問われる宗教…

 日本を代表する宗教学者たちであり、カルト問題に詳しい6名による対談をベースに、それぞれ…

石川明人『宗教を「信じる」とはどういうことか』ちくまプリマー新書、2022

 まさにタイトルどおり、宗教を「信じる」とはどういうことかをさまざまな観点からわかりやすく論じている。もうこのタイトル以上に何の紹介も要らないくらいだ。信じることや宗教に関することに興味が少しでもある人は、ぜひ読んでおいた方が良い本だ。  おそらく中学生ならじゅうぶん理解できる平易な言葉遣いで親切に書いてある。使われているたとえも、参考として引き合いに出される人物も大抵多くの人が知っているようなものだし、引用される聖書の言葉も「そんな箇所があるなんて知らなかったよ」と思わせる