『ガリラヤに生きたイエス いのちの尊厳と人権の回復』山口雅弘、ヨベル、2022
まず著者はイエスの死に際して、「十字架」ではなく、「晒し柱(さらしばしら)」という言葉を使う。
イエスは「反逆者・政治犯」として虐殺された多くの人間のうちの1人に過ぎない。そして、イエスの殺害は、見せしめとして権力者が民に晒すために行ったものである。だから、これは「贖罪」の徴として美化された「十字架」ではなく、「晒し柱」と呼ぶ方が、事の本質を示すには相応しい。
本書は、イエスが突発的に登場した宗教的天才であったのではなく、ガリラヤがイエスを育てたと主張している。
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