ノセアキラ

クラフトビール。

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最近の記事

秋に飽きるまで

8月ももう終わりかと嘆いていたら、もう9月も中頃に近づいている。 仕事を終えて外に出ると、風の中に少しだけ冷たさを感じた。 心地良い。 秋だ。 秋は季節の中で一番謙虚だと思う。人々が夏の終わりを惜しむ中やってきて、いつの間にか冬に変わっている。切なくて奥ゆかしいのだ。 暑くも寒くもないという点で春と比べられることも多いが、秋の方が洒落た雰囲気だ。 「はーるがきーた、はーるがきーた」と春がアホ面で叫んでいる一方で、「夕やけ小やけの赤とんぼ」と遠い目をしながら歌い上げるのだ。

    • 生活を踊る

      ちゃんと生活がしたい。 そう思い始めたのは一人暮らしを始めてからだろうか。 生活をする、っていうは、日々をただ生きることじゃない。 自分のやるべきことをしっかりとやる中で、自分を自分たらしめること。 自分について悩んだり、 思わぬ自分に驚かされたり、ガッカリすること。 社会人になって自由な時間が学生の頃と比べて極端に減ってから、そんな風に生活をとらえるようになった。 自分で作った出来立てのごはんを食べる。 自分で作ったパスタが美味しすぎて食べ過ぎたり、 一人で、うま

      • 布団

        子どもが好きだ。 こう言えば女子受けがいいと考えているわけではないし、 ペドフィリアでもない。 単純に可愛いことはもちろん、彼らは恐れを知らず何にでも突っ込んでいくし、感情を全身から表現し伝えるところも好きだ。 いろんなことにビビって身動きできず、世間体や空気を読んで思ってもないことを言ってしまう自分からすると、かっこいい、とさえ思ってしまう。 大きくなると考えもしないことを、彼らは全力で悩み考えているということにも興味がある。 それが自分の頭に驚きや発見をもたらしてく

        • 夜と寝る

          眠い。 今日は昼まで寝てたのになぜか眠い。 睡眠時間が長くても眠い理由はきっとたくさんある。 枕が合ってないから疲れがとれてないとか、 運動不足とか、 代謝が悪いとか、 夢の中で悪者と死闘を繰り広げていたから、とか。 しっかり寝ても、 そんなに寝なくても、 どっちにしろ眠いなら寝たくないな、と思う。 そう遠くない未来で、 飲むだけで睡眠をとったことになれるサプリが開発されたら、毎日摂取する。 寝るのが嫌いなわけではないのだけど、 特別好きではない。 なんなら、

          空と生きる

          実家の、自分の部屋の窓から見える空が好きだった。 窓際に敷いたふとんに膝をついて立ち、 両手で頬杖をつきながら外を眺めると、 すごく気持ちが落ち着いた。 その窓は西側にあったから朝陽は入ってこなかったけど、 眩しいのが苦手な自分にとっては、 薄暗い朝が心地よかった。 昼には日光に邪魔されずに青い空と白い雲を眺められる。 田舎だから空が広くて、 そんな心を洗われるような青空を見る度にここに産まれてよかったと、 冗談抜きに思った。 夕方になると西日が何にも遮られることな

          空と生きる

          くだらないの中に

          最近「生きててよかったなあ」と思うことがすごく多い。 アベンジャーズの完結編を映画館で観られる。 星野源のライブを生で体験できる。 ヒーローアカデミアをリアルタイムで追うことができる。 世界中の美味しいビールを飲むことができる。 「生きててよかった」と思う。 けど、 「生きてるな~」 って思うのは、 物事がどうも思った通りにいかなかった時だったり、 自分がどうしようもないやつだと気づいた時だったりする。 起きなきゃいけないってわかってるのに布団の中でずっとTwit

          くだらないの中に

          2018

          新年明けましておめでとうございます。 と言っても、今年に入ってもう一月が経とうとしている。 去年の年末は30日まで仕事で、 その後友達と大晦日の朝までひたすらビールと音楽を貪った。 男4人で集まって酒とYou Tubeで夜を明かした。 ふわふわしたなー。 解散した後はその流れで帰省して、 あっという間に新年を迎えた。 SNS上でよく見られる振り返り投稿みたいなのもできなかった。 1年間を良い感じにまとめて新年の抱負をかっこよさげに語る文章と、 9枚くらいの年間でとびき

          NO GENRE, NO CHOICE???

          ジャンルなんていっそのことなくなっちゃえばいいんじゃね? っていうのが今日のお話。 一つ前の投稿でも書いた通り、ビールには数えきれない程の種類がある。それをフレーバーや原材料によってグループ分けしたものを、スタイルと呼ぶ。 例を挙げればIPA、ペールエール、スタウト、ポーター、セゾン、ランビック、ピルスナーなどなど。実に様々なスタイルが存在し、今も増え続け、複雑化している。 800種類以上のビールを売る店で働いていると、スタイルというものは実に役に立つ。 「最近おすすめの

          NO GENRE, NO CHOICE???

          これもうビールじゃないよね

          ビール屋で働いている。 私が働くお店は少し業態が複雑なのだが、「ビール屋」という呼び方が一番しっくりくるので、そう呼ぶことにする。 少しビールについて話をしたい。 ビールは麦芽、ホップ、水を酵母で発酵させてできる醸造酒。フルーツやスパイスなどの副原料を使用する場合もある。麦芽もホップも数えきれないほどの種類があり、水も硬軟によって味わいが変わる。酵母を変えれば全体的なフレーバーは一変する。それぞれどんな原料を使うのか、それらを投入するタイミング、熟成期間、全て造り手次第。

          これもうビールじゃないよね

          考える人

          ロダンの有名な作品に「考える人」という像がある。 筋肉質な男性が手の甲を顎に押し当てて思想に耽る様子を表したブロンズ像。 有名な、とは言ったものの、どうして有名なのかも何がすごいのかもわからないし、そもそもロダンがどんな面してるのかも知らない。 それでも「考える人」と聞けば誰もがあの気難しそうな人を思い浮かべることができるのは不思議だ。 そんな「考える人」のように、私が必死に物事を考えたのは、高3の時、受験に使わないからと全く勉強しなかった化学の定期テストが冗談抜きで一問