見出し画像

感動を演出するパラダイムシフト


 

■パラダイムシフト


 先生方の経験則でも既にご存知のことだと思うが,感動には大きなパラダイムシフトがつきものである。
 例えば,「楽しみにしていた映画を見に行って,実につまらない映画でガッカリした」という経験はないだろうか。おもしろいと思って楽しみに見に行ったら,おもしろくなかったときは,本当にガッカリである。逆に,「つまらないと思っていたら,おもしろかった」ときはどうだろう。たまたま時間つぶしに見た映画だったが,そのおもしろさに感激し,期待以上に感動し・・・これはパラダイムシフトである。つまり,パラダイムシフトとは,「パターン化した視点がガラッと転換すること」、「思い込みがひっくり返ること」である。一般的に転換の度合いが大きいほど感動は大きくなる。
 学校においては、「授業=つまらない」「上司=わからず屋」のような思い込みは,一つのパラダイムと言えるだろう。それが,「授業=おもしろい」へ転換するとき,人の心には感動が生まれ,学習する原動力を生む。感動が大きいほど、学習効果や意欲が大きくなる。

■パラダイムシフトを起こる3つのケース


 大きな感動を与えるためには,パラダイムシフトを起こす必要がある。先生方が授業改善工夫をしようとするときは,無意識的にこのパラダイムシフトを行っている場合が多いのではなかろうか。
 パラダイムシフトが起きるケースはいろいろあるが,次の3つが代表的である。

①   無意味→意味付加

今まで,無意味と思っていたものに,突如意味を発見したとき。
例えば,ドラマで序盤のなんでもないシーンが実は伏線になっていて,それが最終的にドラマの結論のカギになっていたとき・・・感動

②   複雑→単純

一見ややこしいことが,実は単純だったとき
物事が複雑なほど「要はこういうこと」と気づいたとき・・・感動

③   見えない→見える

例えば,数学の確率の問題も,それが実際の賭け事へ応用できると知れば,突然見えるのだから,目からうろこで,数学に対して・・・感動
 
私たちは,もともとの固定観念,パラダイムが崩れ,代わって別の価値観が生まれるとき感動する。学習や生活の指導においては、どんなパラダイムシフトが仕組まれ、どんな感動が起きるのか、それが,教師のセンスであると言っても過言ではない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?