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鰻を見れば涎も出るわ


 夏になると体力がとにかく落ちてくる。食欲が落ちすぎてあからさまに「痩せた?」と色んな人に聞かれる。

 どうやったら暑い日に食欲が湧いてくるのだろう。保育士なんてかなり体力勝負の仕事だから食べないと頭も働かない。それなのに私の頭は拒むので困る。

 と、考えながら帰路についていた夏のある日。商店街の店の軒に鰻の文字を見るようになった。夏になるとよく見かける。そうだ、土用の丑の日だ。

 その日も「うなぎ」「うなぎ」とその文字をTwitterのタイムラインでたくさん見かけたが、私は食べていない。食べたいけれどなんせ高いから我慢している。

 でもあの香ばしいたれの香りや、飴色に光る蒲焼きを見ると涎が止まらないし、本当はめちゃくちゃ食べたい。


 土用の丑の日の効果で、めちゃくちゃエネルギーがつきそうなイメージのある鰻だけれど、そもそも鰻自体がずば抜けて夏バテに効くというわけではないらしい。

 諸説あるが、かつて江戸時代に学者の平賀源内が、知人の鰻屋に鰻を売るための相談を受けた時に『丑の日には「う」のつくものを食べるとよい』という話を上手く使った所、商売繁盛した所からこの風習ができたという話もある。

 売り方ひとつでこんな事になるのだから策略って大切だなと思う。
 
 そんなわけで、夏バテを予防するために精力つまりスタミナをつけたい今日この頃なのだが、みなさんスタミナはどれくらいあるだろうか。
  
 別のエッセイでも書いたり私を知ってくださっている方ならわかっていると思うのだが、自分は根っから球技が大の苦手なので運動音痴にみられる事が多い。でも実を言えば元からスタミナ自体はある方だ。


 体育の授業は球技しかなかったのでことごとく拒否してきた私だったけれど、唯一点稼ぎできたといえば冬場の持久走。平然と同じペースで走っていける。自分が体力あることを示せるのは多分そこしかなかったと思う。


 なぜかはわからないが。片道2時間通学を6歳の頃から毎日していたからなのだろうか。次の電車に間に合うように乗り継ぐための駅と駅の経路を人の合間を縫って走り込む毎日。そういう事を続けていたらいつの間にかそんな力がついていた。

 ダンスや縄跳びも好きだったし、やたらめったらそういう鍛え方が好きだったからかもしれない。今だって新宿まで交通費を浮かせたいがために2時間歩いていけたりもする。

 体育は好きではなかったけれど、体を動かすこと自体はとても好きだから、この持久力に関しては今後も維持したい所だ。


 そんなわけで謎の自己アピールはここまでにして、梅雨明けすればいよいよ夏の本当の暑さが襲ってくる。早速やられそうだが負けてはいられないなあ、と街中でアピールしてくる鰻の文字を見て思ったのである。

 それ以前に流行り病に負けないようにしなければならないが。


 もうさすがに江戸時代ではないから、鰻じゃなくてももっと栄養を摂れる方法はあるけれど、でもやっぱり根付いている風習なら鰻を食べたい所である。あの香りと色だけで味を思い出させてくるのは反則級だ。

 でも高い・・・。「う」がつくものでいいなのら、何がいいかなあ。そもそも少食の私はウィダーinゼリーできっと事足りてしまうのだけれど。

 お財布と相談しよう。給付金もボーナスもあるし、今年くらいはいいかな。


読んでくださりありがとうございます。 少しでも心にゆとりが生まれていたのなら嬉しいです。 より一層表現や創作に励んでいけたらと思っております。