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友達何人できるかな?

「1年生になったら、1年生になったら、友達100人できるかな?」
子どもの時に歌った事がある人も多いのではないだろうか。1年生は学生に限ったことではない。社会人だって1年生になった方もいるし新しい職場に異動して1年目の方もいると思う。そんな時にいつだって頭を悩ますのは人間関係だ。
ちなみに「友達100人できるかな?」というその歌詞に、恥ずかしながら小学校当時の私は真面目な皮をかぶりながら「アホぬかせ、友達なんかそんな要らんねん」と毒づいていた。大したひねくれ者だ。
でも当時の自分はそういった歌よりも「友達1人でも全然気にせんでええねんで」くらいの歌詞を欲していたように思う。

唐突ですが皆さんは「私にはとても素敵な友人がいます」と胸を張って言える存在が周りに今どれくらいいるだろうか?


私は今繋がっている人たちの数自体は少ないかもしれないが、みんな漏れなく大切な人で周りに紹介したいくらい素敵だと言い切れる。
というのも、人間関係というものが面倒であまり多くの人と関係を持ちたくない私は普段から人との距離感をきちんと測るようにしていて、常時すぐ迷いなく連絡するのは大事な存在だけという状態にしているから。

HSPだとどうしても悩むのが誰かの言葉をいちいち気にしてしまう事。

感覚が鋭いとここは避けては通れない。
例えば、誰かと二人きりでいる時に相手からぽろっとこぼれ出た「しんどい」という言葉。これ一つにしたって相手は何も考えずに口癖のように言ったとしてもこちらとしてはとても気になってしまう。その言葉を言った相手によって考えることもめちゃくちゃ変わる。

この前、言葉を色や温度で感じているということを書いたのだが、柔らかいのか硬いのか、冷たいのか温かいのか、その「しんどい」の声のトーンで私は色々と考え込んでしまう。
この人は私に向かって言ったのか?それとも友人?はたまた自分の仕事や学業に対して言ったのか。それとも単純に体調が悪いのか。
そして何がその人をしんどくさせているんだろうとも考える。その人の人間関係も加味して、それらしい問題が直近で起こっていたかな?と遡って考えてしまうほど。

そんな訳で友達が増えれば増えるほど私にとっては気にする要素が増えて、学生時代は自分のことに割く時間が浪費されてしまう感覚がある。
私はみんなもそういう風に考えるものだと思っていたから何も言わずにいたけれど、人と話す中で全くそうではない事に気付いてからは余計なことを考える癖を辞めたいと思うようになった。
なので大学時代あたりからは将来ずっと繋がっていたと思う人だけ定期的に関わるようにしている。

よくSNSでもフォロワーが多いことや友達が多いことをやたらと自慢したりそこを売りにする人がいるが、私は別に多いからといってすごいとは思わない。

アーティストのように自然とその人達が本人に魅せられてフォローされたのならまだしも、単なる若気の至りで繋がってやたらとみんなで楽しいことをして欲求だけを満たす姿を見たとき、彼ら彼女らはその大勢の人をどこまで大事にできているのかなと思ってしまう自分がいる。


小学校5年生の時。それまでは寡黙で真面目な私の人の良さに漬けこんで嫌なことを押し付けてくる男子のクラスメイトが多くいたのだが、いじめられるようになった頃から手のひらをひっくり返すようにみんな離れていった。そんな姿に心底失望したけれど、それ以来は友達という言葉はその程度の効力しかないと思っている。

今だってかつてのクラスや吹奏楽部の人と繋がってはいても近況を知るくらいで深く入り込むことはない。
この人にはここまでという線引きを覚えると感情的になることもなくなって。それに自分の夢がある今はいちいちそこに嫉妬や羨望を覚えている暇もないわけで。
そんな薄い関係を作るのであれば、そばにいてくれるだけで頑張れる人が一人でも居るだけで私は十分。友達でも恋人でもなく親友と呼ぶのももったいないくらいの、ただただ愛で接したいなと思える存在の人。


実際5年生のいじめの渦中にあった時も、クラスの中で私をこっそり支えてくれたのはたった一人だったが、その子とは15年経った今もしっかり繋がっている。その子のおかげで私は死にたいと思っていた日々から抜け出すことができて、今はこんなに充実した日々を送ることができている。
あれから10年以上経って、私にはそんな大事な存在の周りにたくさんできた。20人にも満たない数でも、私はその人たちと繋がれたことを誇りに思っている。結局どれだけ学生時代に友人を作れどおじいさんになる頃に深い関係値を保てる人は数えるほどしかないと思うから。

他人のことに時間割いているよりは自分の学びたいことに時間は費やしたいし、私の大切な人や求めてくれている人に時間は使いたいものだ。
友人関係が面倒だけど周りの目も気になって仕方ない人はいい意味で割り切るという事を覚えるといいかもしれない。
生きるのもきっと楽になるだろう。

大事なのは数より、その人と一緒にいることで自分に何が生まれているのかどうかという事なのではないのかなというのが自分の考え。

読んでくださりありがとうございます。 少しでも心にゆとりが生まれていたのなら嬉しいです。 より一層表現や創作に励んでいけたらと思っております。