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IN&OUT of TOKYO 19「丁寧に検証する日々・東京とサヴァイヴァルの“今”」/一日一微発見147

朝。横浜のランドマークにあるFUJI XEROXに到着。
ここにきたのは、本当に久しぶり。鈴木親君のNEOTOKYOZINEの出力の立ち会いだ。

鈴木親君、デザイナーの林修三も来てくれて、みんなで色や紙の適正などチェック。出力機はFUJI XEROXが誇るプロ用のiridesse。

いつの世でも同じだが、テクノロジーの可能性の実態をつくるのは人間だ。パソコンが与えられたから全ての人のクリエイティヴィティが上がるわけではない。

今回僕は、NEOTOKYOZINEというプロジェクトを立ち上げて、アーティストたちにiridesseを活用してもらっている。素晴らしい機械はあっても、誰もまだ使いこなせていない。

だから、NEOTOKYOZINEに仕上がる過程は、とてもトライ&エラーで、手間がかかる。しかし、だから逆に、満足いく上がりになった時の喜びも、ひとしおだ。

中綴じで、104ページもある。もうとてもZINEと呼べない。
なんか新しい「印刷物」が出現しているなのだ。

手に取ってNEOTOKYOZINEの鈴木親写真集『新東京』の感触をたしかめる。気がついたら、もう45年もこんな印刷のエキサイティングな瞬間に立ち会ってきた。
ワーオ!

親くんは、この仕組みを多くのファッションブランドは、使いたいと思うだろう、と預言者っぽく語っていた。
アーティストがご機嫌なのが、なにより嬉しい。

ミーティングのあと、超ひさしぶりに桜木町駅で昼食をとる。入ったレストランの隣のテーブルから声が聞こえて来る。

生命保険の勧誘のようだ。特筆すべきほどのことではない、日常。
人生とリスクとお金の話、確かにリアルだが、そんなことを考えてばかりいたら、生きる意欲などどこから湧くのだろう。
コロナ期の、生命の価値は、どう再解釈されるのだろう。

横浜から恵比寿までJRで30分。POSTに到着。いまから、NEOTOKYOZINEの設営。
G/P galleryを2018年いっぱいで閉廊して以来の、久方ぶりの恵比寿リターンズである。

いつもなら、たよりになるスタッフの西本といっしょに設営だが、ヤツは今日はスタジオに行ってるから、僕一人でやる。
でもちっともイヤじゃない(G/Pの展示は、逆にバリバリのプロのインストーラー石毛さんにやってもらっていましたが)。

学生時代から、何からなにまで一人でやってきた。

浜松のmovementも、ほぼDIYで作った。アメリカ南部のジュークジョイントなみ。常に、心はインディペンデントであれ!

林修三に表紙データをリサイズしてもらい、特急だったので東京リスマチックで出力した壁に貼るプリントは、すでにPOSTにとどいて、それをとりだして、着々と両面テープで貼っていく。

1人で最短時間でできるように、あらかじめサイズはデザインしておいた。
こんな風な段取りも、重要な編集の「スキル」。

作業途中何回か、長電話が掛かってきて中断したが、最後は巻きでやってなんとか完成。

日の高いうちに妻の渚が到着。最後に動画を撮ってもらう。

ちょっと前までは、ベテランのセラピストだったが、急に方向転換し(なにかの兆しがあったらしいが)コロナ の直前から、みるみるうちに動画編集のスキルを独学で身につけた。

編集してくれているYouTubeチャンネルもかっこよく出来ていて、最近では、動画の仕事の相談も舞い込むようになり、本人も驚いている。
NEOTOKYOZINEをとりあげたYoutube動画をつくるための素材撮りも完了!

作業が終わったので、あとはPOSTの中島佑介さんにまかせて、僕らは晩飯に。
偶然見つけたベトナム料理屋へ飛び込む。

コロナで客は僕らだけ。
ちょっと異国へのワープ。
バーバーバー(ベトナムビール)で乾杯。

翌朝。
コロナで止まっていた仕事が再開したのでスタジオへ。
レギュラーでやっているハイブランドのカタログ。撮影は鈴木親。

コマーシャルな仕事にも、コロナ以降(いやコロナの渦中)の思考やテイストが当然なことに入ってくる。
先が見えない時は、小さなサ行のいちいちの工程を、日々丁寧に、かつ考えながら行動しなければならない。

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